下取りという言葉は、もともと「新品の代金の一部に充てるため、売主が買主から古品を受け取ること」の意味で使われていたものです。
ところが、廃品回収を下取りと呼びながら料金を取るシステムを考えた、頭のよい人が出てきました。
新品の代金の一部に充てるどころか、料金を取って古品の回収をするのを下取りと呼ぶことにして、いつの間にか金銭の流通方向に逆転現象を起こさせてしまいました。
その人たちの言い分は、下取りとは、新品と交換に古品を受け取る物品の移動を指すので、その際、料金が発生する場合も、無料の場合も、新品の代価が減る場合もあって、カネの流れは別ということなのでしょう。
古い言葉の、新しいこの意味を知ったのは、プリンターの寿命が尽きたらしいと思わなければならなくなったときでした。
「下取り2000円」これが古品と一緒に料金も回収されるということだったのです。
注文決定以前に気づいたので、その手には乗りませんでしたが。
よく見なければわからないことが、たくさん出てきた今年も終わりです。
みなさんがよい年をお迎えになることを、お祈りしております。