伝統工芸と呼ばれるものは、これまで伝承されてきた工法です。
伝承されてこなければ、つくられたものだけは残っていても、伝統工芸の仲間入りはできません。
工法は、教える気がなければ伝承されません。
また、教えられる気がなくても伝承されません。
教える者と教えられる者が、同じ場に居合わせなければ、伝承されません。
ところが困ったことに、教える者と教えられる者どうし、お互いに気疲れを感じてしまうことがあるのです。
電車の停止位置がうまくいかず、扉も開けずに次の駅まで行ってしまった珍事も、指導員同乗という気疲れのたねが、集中力を出させなかったのではないかと思います。
こういう性格の人には、指導員のほうも楽ではありません。
教えることがうまくいかないのは、懸命になるとくたびれるから、教えたがらないのもくたびれるから、でしょうか。
気疲れを取り除く決め手は何でしょう、教え甲斐という人間どうしの気持ちの問題でしょうか。
どちらか一方に気分周波数の調整能力があって、共振を起こせるかどうか、そんなことかもしれません。