・・・・・・あわぞうの覗き穴・・・・・・

気が向いたときに、覗いてご覧ください。
何が見えるかは、覗く方々のお眼め次第です。

控えという審判席

2014年07月22日 | つぶやきの壺焼

相撲の勝敗判定は、あとから誰にも文句を言わせないすぐれた方式によって行われています。
まず行司が一次判定、どちらが勝ちとも言えないという、逃げ腰判定はできません。

一次判定が確かでなさそうなときには、物言いがつけられます。
物言いは、土俵に最も近い席にいる検査役と、並んで座っている控え力士が、それをつける権限を持っています。
勝敗判定の協議に加わらない、物言いをつけるだけの権限が、控え力士に、ただ没我の境地に沈むだけでは果たせない役目を負わせます。
控え力士は、土俵上の自分以外の取り組みにも注意を払わなければなりません。

控え力士が加わらないだけ、検査役に加わる協議の役割の重みは増します。
背中に、物言いをつけた力士の睨みがきいているからです。

議場と呼ばれるところにしばしば見られるような、理にかなわない判定が万一行われれば、巨躯怪力をもった男たちの怒りを抑えることはできないでしょう。

巨大な慣性エネルギーを蓄えた肉塊が、避ける間もなく目の前から降ってくるあの場所は、常に危機意識を脇に押しやれない、神聖な審判の実践場でもあるのです。

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