ウイスキーの値段は、5年で2倍、10年で4倍になることが、Tデパートの贈答品売り場を、時間つぶしに一周してみてわかりました。
味は計算できませんから、味と値段の関係が、相応なものかどうかはわかりません。
贈答品の値打ちは、もらったときの嬉しさで決まります。
15年もののウイスキーより、20年もののウイスキーが、もらったときに倍うれしいということもないでしょう。
毎年見て歩いているわけではないのですが、今夏の贈答品売り場には、こればっかりなのかと思うほど、ハムと酒がぎっしり並んでいます。
酒池肉林という糜爛熟語がすぐ頭に浮かぶほどです。
もらってうれしいものは、人それぞれなのに、選べるように用意されているものは酒と肉です。
贈答品というものは、もらった人を喜ばせるためでなく、ある時期に売りたいものをまとめて売るのが目的でつくられるのだということが、よくわかるのでした。