弱い者いじめでうっぷんを晴らす、気弱な人間のすることのうち、いちばん始末の悪いのは自分の子供いじめです。
他人では仕返しへの恐怖があっても、自分の子供なら仕返しのおそれがとりあえずなく、しつけのつもりという自分への言い訳が頭をよぎります。
それを続けているうちに、乱暴が度を越していることに気づかなくなります。
東京都が、国より1年早いと得意げに決めた「子供への虐待の防止等に関する条例」の基本理念には、「虐待は、子供への重大な権利侵害」とされています。
親子の関係は、子供が権利を持っているからそれを侵害してはならないというようなものではありません。
子供は理屈なしに無条件で守られなければならず、ほかの動物でもみなそうされています。
こんな法律がなければ、自分の子供への乱暴を止められない人は、親の資格どころか人間である資格を持ちません。
猫を電子レンジで温めてはならない級のこんな徒条例は、低級文化の標本です。
どうしてもこの種のことを法制化するには、精神環境が極低位に下落してしまったという恥辱を忍ばなければなりません。
早々と対策をたてたと、自慢になるようなことではありません。