今度は、JIMMY COBBが亡くなったそうだ。コニッツほどの大物ではなく、常にマイルス・グループの一員(1958~1961年)という冠の下で語られ、マイルスの元を離れてからの活動についてはあまり興味を持たれていなく、前後のフィリーやトニーと違いサイレント・ドラマーのイメージが強いですね。
同時期、VeeーJayレーベルに何枚かサイドとして作品を残しており、その中からF・ストロージャーの初リーダー作を。
メンバーの良さの割に、それ以上でもそれ以下でもない存在価値に落ち着いているのが誠に残念。
その主因はTOPのケリー作で頭文字を取った”W. K. Blues”ではないかな?その場で即席に作ったようなイージーさは如何なものか。これを聴いて”Fantastic”と思う人がいるのだろうか(いゃ~、いるかもね)。ノリの良さがこのレーベルのキャラ、魅力とは言え、わざわざこれをTOPに据える手はないでしょう。ストロージャーは曲作りの才もあるのでここは正攻法で彼のオリジナル作からスタートするのがベターだったのでは。
後になってケリーの未発表、別テイクを集めたアルバム(国内盤)がリリースされ、このセッションから未収録2曲が日の目を見た。
ストロージャーのオリジナル“Tibbit”とスタンダードの”Just In Time”で其々9:44、7:25としっかり時間をを掛け、ストロージャー、リトルのソロがたっぷりと聴くことが出来、内容も良い。
特に“Tibbit”でのリトルのロング・ソロは聴きものですよ。何時になく余裕とスケール感を持たせながら気持ちよく吹くリトルの後ろでケリーが「ソロは長ければ良いてなもんじゃないぜ。いい加減、止めろ、もうオレの出番だ」(笑)とばかりpを強く弾き、合図する辺り面白い。それとも「いいね!」だったのかな。
また、ストロージャーも単なるパーカー派では収まらない新しいアプローチを聴かせ、スタンダード解釈も実力の程が知れます。二人とも自分の語法に確り落し込み、吹いている所が良いですね。
この2曲を組み入れ、選曲を吟味したならば、本作はもっと注目されただろう。