新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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「北村西望と井之頭自然文化園の彫刻」

2023-06-30 18:02:25 | ウオーキング

昨日は暑かったですね。一日自然文化園の中をうろうろしていて帰ってくるのが精いっぱい。それで投稿を忘れていました。

自然文化園に撮影に行ったのですが、お目当てはおらず。見上げるような巨木の庭園をうろうろしたり、ベンチに腰掛けて冷凍のペットボトルをちびちびなめたりしてまして。

ふと辺りを見渡すと見上げるような大きな彫刻がたくさん並んでいます。現代風の彫刻ではなく写実的な実在の方々の彫刻にも見えました。どこかで見たような彫刻もあります。たとえば十文字槍を抱えた巨大な加藤清正像です。どこかにありましたよ。

林の中に3棟の実術館風の建物がありました。近づいてみるとなんと、北村西望の美術館です。「こんなところに、うっそ!」さらになんと入場無料です。昼間でしばらく時間もあります。冷房の効いた展示室でじっくりと見学をしました。

パンフレットを頂きました。とりあえず、表紙だけ紹介します。

北村西望さんは背景にある様に長崎市平和公園に設置されている有名な「平和祈念像」の作者です。

またここには北村さんの全作品が寄贈され、さらに平和祈念像(巨大な9m70cmの)を作るために建設された大きなアトリエもそのまま展示されています。展示と言いますか、現在の場所に巨大なアトリエを建設しそのまま保存されているのです。

しかし彫刻は設置された現地にあるのではないか、なぜここにこんなに沢山展示されているのか不思議でした。そこのこのような彫刻作成過程の仕組みが隠されていたのです。パンフレットによりますと、このような大きな彫刻を作る場合、スケッチや原画から始まり、1/4や1/2の原型を作り試案を作り原寸大までの原型を作っていくそうです。ですから納品した象の前段の作品が存在するわけです。

彫刻館AとBには製作時期を二つに分けて作品が展示されています。A館21体、B館16体。大きな「御木本幸吉翁立像」や「畠山重忠清廉の武将」「加藤清正公」など具体的な人物像や、「静座・巨人」「健康美」「猫・防衛」「婦人解放の唄」「青嵐」「平和への出発」「笑う少女」など挙げればきりがありません。堂々たる作品が多い中、私が引きつけられたのはこの笑う少女でした。1mちょっとの実物大の少女が、手のひらで口を押さえて笑いをこらえている瞬間の像です。とてもかわいいです。30cmくらいのレプリカでも発売されていれば即購入したいところでした。

アトリエ館は平和祈念館を製作するために東京都に現在の場所にアトリエ館を建てるための土地を借りて、アトリエを建設したそうです。内部には約9mの像を製作するために、造船上にあるようなクレーンが数基設置されており、西望がクレーンに乗って上部の製作をしていたそうです。またこの巨大な彫刻を制作するための、作業手順など独特の工夫がされていて驚きました。また屋外の森の中に38基の大きな彫刻が点在しており、パンフレットを読むほどに、改めてもう一度じっくり訪問してみたいと思います。

狙った鳥はいませんでしたが、西望ならぬ「望外」の収穫があったことが喜びでした。

コメント
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