Are Core Hire Hare ~アレコレヒレハレ~

自作のweb漫画、長編小説、音楽、随想、米ラジオ番組『Coast to Coast AM』の紹介など

061-種明かし

2012-12-09 22:11:14 | 伝承軌道上の恋の歌

 それはほんの数日前のことだった。
「題して『マキーナを取り戻せ』」
 ウケイ先生の隠れ家で高らかにそう宣言した僕を、アノンとアキラの二人は蔑みの目で見上げていた。しばし訪れる静寂に気後れした僕は密かに作っておいたとっておきのポスターを取り出した。そこには大きな『マキーナを取り戻せ』という文字。少女が二人、繋いだ手を中心にして半身ずつ描かれている。左にはマキーナ、右には病衣に身を包んだか弱げな女の子。
「どうだ、このポスター?よくできてるだろ?」
 得意げに二人に見せびらかすが二人はあまり浮かない様子だ。
「…で、その後どうするの?」
 アキラは頬杖をついて机の上のペンをはじいてばかりで目を合わせようともしない。
「『管理-kanri-』を乗っとるんだ」
「そんなことできるの?今じゃここから出ることだって怖くてできないんだよ?」
「だからさ。だからこそ乗っ取る必要がある。木を隠すなら森さ。全てをアノンと見分けがつかなくしてしまえばいい」
「どうやってよ?」
「マキーナだよ。街中にマキーナを溢れさせるんだ。それも委員会の作った偽物じゃない。本物のマキーナをだ。マキーナを、ヤエコを、そしてマキを僕たちの手に取り戻すんだ。みんなを熱狂させろ。混乱を生み出せ。そしてこの街のみんなを僕達の味方にするんだ。そうすれば…」 

…つづき
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