2000年頃には、常用のカメラが、Pentax MZ-3とコニカのBig mini Zoomになっていた。どちらもほぼシャッターを押すだけのカメラなので、次第にまた、距離を合わせて、露出を決めるカメラが懐かしくなってきた。マニュアルフォーカスタイプの一眼レフカメラとしては、以前書いたCanon FTを持っていたので、今度はコンパクト系が欲しいなと思った。オリンパスペンFはレンズ交換もできる高級コンパクトだが、ハーフサイズじゃなくて、35mmフルサイズのコンパクトで手動のものが欲しくなってきた。
で、いろいろ中古屋カメラ屋さんを見るうち、Canonetに惹かれるようになった。そこそこコンパクトでレンズが明るい。露出は手動で、絞りは露出に連動する半手動で露出計内蔵、フォーカスは手動という、遊びながらもそこそこ使えるコンパクトなのが気に入ったのだった。
Canonetはバージョンアップを繰り返し、長く生産されたカメラだという。中でもG-IIIは、あちこち改良がなされて、ほぼ完成の域に近いものだったそうで、生産台数も多く、良いものだが中古価格が比較的安い。私も非常にきれいなものを13,000円で買った。
ズームなどはなく、焦点距離40mmのみだが、スナップ用と割り切ればそれも良い。レンズ枚数が少ないため、明るく、更にシャープな絵になるのが魅力だ。レバーを回してピントを合わせる作業も楽しい。30年以上前のカメラだが、今でもときどき持ち出して使っている。