あるBOX(改)

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ロベルト・デュランを彩った人々(5)「フレディ・ブラウン氏」

2014年09月26日 | ボクシング
カルロス・エレタ氏からレイ・アーセル氏へ「パナマの若者を見て欲しい」と
要望があった際、
「この男と一緒ならイイ」と指名したと言われるのがフレディ・ブラウン氏。

アーセル氏と同じ白人トレーナーだが、こちらは風貌からして頑固オヤジ。
太い眉、鋭い眼光、鷲鼻で、葉巻をくわえた不敵な表情は、
相手コーナーからしたら嫌な事この上ないだろう。

カットマンとして出血男のビト・アンツォフェルモに付いてただけでも
相手と仕事を選ばない職人ぶりが良く分かる。

マービン・ハグラーとの再戦でビトが出血TKO負けした時も、試合後
リング中央でハグラーに「お前の頭のせいだ」と面と向かって言ってるし。

バッティングあったにせよ、その後はダウンも食らい、
被弾で傷が悪化しての結果なのに、良く言うよなぁ・・・と
驚きモンの言動で御座いました。

あれくらいじゃないと、米国拳闘界で第一人者は張れないんだろうなぁと
感じ入りましたよ。



「遙かなるデュラン」でも
ハーンズ戦のKO負けで(一時的)引退宣言したデュランに対し、
「デュランはファイターとしては素晴らしかったが、人間としては
まだまだグリーンボーイのようなものだ。
オレの言う事を聞いてくれてたデュランが初めて何も聞いてくれなかったのが
レナードとの再戦だったが、結果は御承知の通りさ。ハグラー戦だってオレが
セコンドに付いていたら勝たせる自信があった」などというコメントをされている。

なんかもう、ここまで一徹なら感動するしかありません。

「石の拳一代記」によると、ノーマス事件の時もデュランを守ろうと懸命だったそうな。
※ご自分自身がショックで鬱に近い状態になられてたって話なのに・・・

「計量後の暴飲暴食による胃痙攣」という“理由”も、ブラウン氏が考えたという説もある。

アーセルとの関係は、「手柄」を巡って微妙になってたとか。

名選手のみならず、あらゆるボクサーのセコンドに付いたブラウン氏の職人振りも
これまた人生の教訓になると思いますよ。