あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

結局購入した本:「ブリックヤード・ブルース」

2014年09月04日 | 英国ロック
以前ネットで英国ロック系の商品をチェックしてたら
なんと「キーフ・ハートリー自伝」が書籍化され、
しかも翻訳本となって発売されてててね。
すごい驚いたんですけどね。



「キーフ・ハートリーの名前を知ってる人がどれくらい居るだろうか?
 しかし話を聞いてみると、出てくる出てくる、次々と有名人の名前が。
 大ブレイク前のビートルズとギグをし、リンゴ・スターには
 お下がりのステージ衣装をもらい、モッズに大人気のアートウッズの
 ドラマーとして大女優グレース・ケリーの前で演奏、ブリティッシュ・
 ブルースの最重要バンド、ジョン・メイオールのブルースブレイカーズ
 在籍時にはフィルモアにアルバート・キングらと出演、エリック・
 クラプトンとはレコーディングを共にし、ジミ・ヘンドリクスと
 ジャムり、ついには自身のバンドでウッドストックに出演・・・。
 60年代ロック・シーンの最重要部をウロついていたこの男、
 並のバンドマンとはワケが違う。腕力と胆力と根性で、英国ロックの
 激動期を駆け抜けたドラマーのブルース青春記!!」

なんてオススメ文まであっちゃね。
こりゃ英国ロック好きとしては気にならない訳が無いですわね。



【ブリックヤード・ブルース】(単行本)
キーフ・ハートリー (著)、イアン・サウスワース (著)
Keef Hartley (原著)、 Ian Southworth (原著)
中山 義雄 (翻訳)

価格:¥ 3,024

単行本: 352ページ
出版社: ブルースインターアクションズ
発売日: 2004/12/21

まぁ
10年前の本ですから、もう亡くなってる英国ミュージシャンも
普通に登場しています。

ジョン・ロードさんもキーフにしたら
「アートウッズ時代さんざんツルんだ。オレと同じ音楽バカ」
・・・などと書かれている、
※そんで注訳として
 「でもロードは階級的にはミドルクラスで演劇科にも進学し、
 教養もあった」・・・などと記載されているのでした。
 まぁ、Mr.ロードがキーフに合わせてたんだろうなぁ。



実際に読み始めたら「あっ」という間に読了しちゃいましたよ。
※巻末のアルバムガイドは、現在細かくチェック中ですが・・・

紹介文にあった通り、60年代~70年代の英国音楽の生々しい
記述満載だし、キーフは「言いたいこと言う偏屈スレスレのヤツ」
なんで、いちいちコメントも歯切れ良く気持ちイイ。

共著の「ブルースフリークの英国人」イアン・サウスワース氏も
ミもフタも無い切り口が最高だから、読んでて爽快でさえあった。

まずね、最初さらっと読んだら
「当時イギリスのブルースロックで最高の1stアルバムを残したのは
ツェッペリンとフリーだ」というキーフの言葉あり、
さらに
巻末のディスクガイドで「フリー1st」と5つ星で紹介し、
「ここでのポール・コゾフは、レス・ポールを弾くために
生まれてきた男だ」と絶賛しているんですよね。
※アルバムによっては「うんち」とか言って好き勝手に★1個で
 済ませています

もうね、それだけでね
「オレはコイツらを信用した!」と思ってしまったんですよ。

「コイツらの言葉は暴言含めて認める!!」と。

暴言も気持ちよかったし。

キーフは己の事も良く知ってたし、
「オレみたいなヤツがアートウッズでスーツ着せられてドラム
叩かされるなんて・・・最悪だったぜ」と当時の自分たちに
お仕着せられそうになったエセモッズのイメージ戦略を
コキ下ろしてるし。
自分にオシャレが似合わないって誰より知ってるし。
口の悪さも自覚している。



幼少期から始まるキーフ・ハートリー物語。
英国の地方都市に居たキーフ、英国ロックがマグマのように
盛り上がりつつある事を察知し、「オレも一旗あげる!」と、
当時もっとも熱かった(熱くなりかけてた)リバプールに
向ったのは意外だった。
※ベタな場所に行ってるな~と。

これからまさに全英を席巻しようかというビートルズのロードに
対バン的なスタンスで帯同、一緒にメシを食うシーンなどは
実に圧巻だ。
※ここでのエピソードも強烈。ビートルズが「優等生」じゃ
 なかった事が良く分かる・・・

とにかく
キーフ、クラプトン、ジョン・メイオールなどブリティッシュ・
ブルースを担う者たちの瑞々しい姿が素晴らしい。英国に本物の
黒人ブルースミュージシャンを招聘し彼らと競演あった事は
知ってたが、昔音源を聴いて「本物とは噛み合わないよな」なんて
思った事を思い出す。
※でも、意味があったんだろうなぁ

ベースとドラムを探しているPロジャースとPコゾフと
セッションしたなんて興味深い話もあった。

ドラムはハートリー、ベースはゲイリー・セイン。
後にユーライアヒープへ参加したセインも評価が高いベーシストで
ロジャース、コゾフ、ハートレー&セインでグループが実現される
可能性もあったかも・・・なんて思うと不思議なドキドキ感あり。
セッション音源が収録されたアセテート盤も作成されたが、
どっかのレコード会社だったかに渡って以降、行方不明なんだそうな。



ああキリがない。
最後に紹介文を、もう一度。

1:ブリティッシュ・ロック・ディスク・ガイド付き!
  本文と関連した英国ロックの重要盤&レア盤をジャケット
  写真付きで300枚以上紹介。他ではほとんど紹介されて
  いない盤も多数登場。

2:ブリティッシュ・ロック事典としても使える!   
  本文で登場のアーティストや当時の英国の社会状況などを
  各ページ下の欄外で紹介。
  この1冊で50~70年代の英国ロック事情は丸わかり。

3:マニアも唸らせます!
  キーフの自伝という時点でマニアはため息、さらに
  ジョン・メイオール、マイク・ヴァーノン、ジョン・
  ハイズマンらへの取材、そして関連アーティスト・
  レーベルのディスコグラフィー、英国オリジナル盤に
  よるブリティッシュ・ブルース名盤ガイド
  ※5ツ星採点&市場相場(£)付もあり!

4:それでいて初心者も楽しめちゃう!
  英国ロックに興味があるんだけど、60年代の流れが
  よくわからない、とお嘆きのあなたにピッタリ!
  キーフの歩みを通して、英国ロックの誕生、ブルースとの
  出会い、その後の発展がよくわかる。



・・・J・メイオールの収集癖やボヘミアンぶりなど、実に
興味深い記述やインタビューがあった。
※その音源を聴いてギャズ・メイオールは育ったんだろうな

・・・ディスクガイドではジェフ・ベックでさえインスト期を
ボロカスに言われてます。
「心がブルースから離れた」と思われたら情け容赦なく叩かれます。
ポップに走ろうモンなら「タマ抜き」扱いです。
時代に取り残されたバンドにも情け容赦なし。
サヴォイ・ブラウンも「最後はワンパターン」・・・・。

まぁ、それが気持ちイイ。
炎上が怖くて言いたい事をツイート出来ない最近のヒトは
とっても羨ましいかも知れない(笑)。

さあ、また巻末ガイドを読み直そう!