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映画、読書などのメモ

ルートヴィヒ

2020-03-29 | chinema(欧米系映画)

富と権力を自分の夢に使い果たす

 

 

★ルートヴィヒ
原題:LUDWIG II
監督:マリー・ノエル 、 ピーター・ゼアー
出演:ザビン・タンブレア、セバスチャン・スキッパー、エトガー・ゼルゲ、他
2012/ドイツ

高い美意識と強烈な個性ゆえ誰にも理解されることなく、
“狂王”とまで呼ばれたルートヴィヒ2世。
その彼が崇拝した作曲家ワーグナーの生誕200年にあたり、
ドイツが威信を賭けて制作。
夢想家国王の《孤独と狂気》
そして《自己崩壊の過程》
を美しく描いた作品になっている。
ノイシュバンシュタイン城をはじめ、
王の夢と浪費の象徴ともいえる数々の古城でロケが敢行されており、
人間ドラマとしては余りにも幼い国王の言動に多少うんざりするが、
撮影スポットの美しさにはうっとりする。


後半、実質的な権力を失い、
浪費に明け暮れる様は、
耽美であり、
夢の王国は圧巻である。
《富と権力を自分の夢に使い果たす》
メルヘン王と言われる所以だが、
時代が彼の才能を必要としていなかったのかもしれない。
戦争による国力の強化のために富が必要としていた時代である。
芸術至上では国を救うことはできない。


ドイツの物語はドイツ語で聴くのはいい。
ドイツオペラは美しい。
ワーグナーの出番は少なかったが、
この映画の主題は彼の音楽。


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