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映画、読書などのメモ

レッドクリフ Part II

2020-07-25 | chinema(アジア系映画)

 

 

三国志の愉しさは、
魅力溢れる多彩な登場人物たちに心を寄せたり、
覇を争う知略の妙に唸ったり。
「三国志」の前半部分は、この「赤壁の戦い」に向けて全てが進行する。
何故、「赤壁」へと向かうのか。
全ては諸葛亮孔明の「天下三分の計」の策により、
物語のヒーロー達がここに集結する。
ジョン・ウーもやはり孔明の策にはまり、「赤壁」へと向かう。
そして、新たな伝説が生まれた。

「ジョン・ウー 三国志」は 、
呉の周瑜を中心に物語を構成しているが、
周瑜と孔明の友情物語として世界を描く。
三世紀初期、中国大陸の覇を争う二人の天才に友情があったとは
いかにも現代的解釈ではあるが、
強大な曹操に立ち向かうには互いに協力しなければ、
夢を叶えることばかりか、
生き抜くことさえ難しかった。

映画は圧倒的「数の論理」で表現されている。
中国の究極の美は「数」なのかとさえ思うすざまじいパワーである。
これがアジアパワーだとしたら、空しいとも思った。
つぶされ、吹き飛ばされ、風のごとく消え去る「個」は余りにも無惨であり、
英雄たちの夢もまた風のごとく果無い。
ラスト、
周瑜の言葉「勝者はいない」
は燃え盛る炎の中で力なく響いていた。


ジョン・ウーさんは、
パワーとともに、
「アジアの微笑み」もうまく描いていたかなと思った。
金城さん、レオンさん、そして、曹操役のチャン・フォンイーの笑顔は素敵だった。
壮絶な戦いの映画ではあるが、
「微笑み」の映画でもあった。

戦いのシーンでは、
黒沢明監督の「影武者」を思い出させてくれた。
影響を受けたのだろうか。
三国志オタクとしては言いたい事はいっぱいあるが、
新しい解釈と表現が付け加えられ、
豊かな膨らみを増す事は嬉しい事である。

 

 


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