若者たちに共通するのは、
《モラトリアム的思考》。
かって、ぼくもそうでした。
以後、何となく今も続いているような。
何十年間も、、、。
★レボリューション6
原題:WAS TUN, WEEN'S BRENNT?
監督:グレゴー・シュニッツラー
音楽:ステファン・ツァッハリアス
撮影:アンドレアス・ベルガー
キャスト:ティル・シュヴァイガー、マーティン・ファイフェル 他
2002/ドイツーアメリカ映画
手製爆弾作っておきなながら、
《遊びだった》はないだろうけど、
時代の雰囲気はよく伝わる。
ドイツを東西に分ける時代、
まだまだイデオロギーが世界を支配していた80年代。
彼ら6人(グループ36)はりっぱなアナキストだった。
爆弾は作るし、
治安部隊に対して、
上階から、ションベン引っ掛けるし。
やりたい放題の活動である。
果たして思想的背景があったのかそれは怪しい?
と思わせるほどコミックな映像であり、
パンクっぽいスタイルだった。
なんとなく《いちご白書》を思い出した。
いつの時代でも若者たちに共通するのは、
《モラトリアム的思考》である。
そして、
彼らが作った手製爆弾が15年後、
突然爆発する。
物語はそこから動き出すが、
それぞれの人生を歩んでおれば、当然、考え方が変わる。
久しぶりに再会した彼らが、
ぶつかり合いながらもしだいに青春時代の感覚を取り戻し、
どんどんアバンギャルドになっていく。
そしてついに、証拠隠滅のため、再び手製爆弾を作ることに。
火薬の入れ物が消火器である。
雪のような泡は消火器から吹き飛んだ泡。
時々、映画の中で使われるファンタスティックな小道具。
なるほど昔は除草剤を使ったんだ。
最後のピンチは、
運動家を苦しめた放水車で、
警察の包囲網を抜け出すのはいかにもシニカル。
反体制活動とは遠く離れた内容ではあったけど、
ラストの小気味良さはすがすがしく。
流れるドイツパンクは軽やかなリズムと繊細な響き。
理屈抜きに愉しい作品。