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映画、読書などのメモ

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士

2018-02-14 | chinema(欧米系映画)

映画を観た。

★ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士
英題: Millenium 3: The Girl Who Kicked the Hornet's Nest
原作:スティーグ・ラーソン
監督:ダニエル・アルフレッドソン
脚本: ヨナス・フリュクベリ
音楽: ヤコブ・グロート
キャスト:ミカエル・ニクヴィスト、ノオミ・ラパス、レナ・エンドレ、アニカ・ハリン
2009/スウェーデン

リスベットの復讐は完全に遂行され、
彼女の人権は回復されたが、
心の傷は癒されない。
リスベットはやはりこのパンク姿がいい。

《ミレニアム3》について
監督が変わって、さてどのように決着をつけてくれるかとても気になった《最終章》だが、よくぞやってくれたと拍手喝采である。大きなテーマのひとつである「リスベットの権利の回復と復讐」は、娯楽映画として充分に面白く展開されていた。寸分の無駄がないスピードとスリルとサスペンスで溢れていた。闇社会の組織が明らかになるにつれ、息苦しさを感じさせる緊張の連続ではあるが「リスベットの復讐執念の正義」には最後までピタッと焦点が合っており、内容にブレはなかった。《ミレニアム2》では、少し散漫な展開のように感じたが、《最終章》に向けての準備段階と思えば納得が行く。

この物語は、ミステリーといっても始めから《悪人》は分かっている。
リスベットとミカエルの立ち向かう敵の組織の大きさが明らかになるにつれ、個人の力ではどうすることも出来ない、あるいは自らの命そのものが危なくなる危機となっても、彼ら二人は、それぞれに対抗する特別な力を持っている。リスベットには《天才ハッカー》という武器、ミカエルには《ミレニアムという雑誌》である。ハッカーという個人の能力で情報を獲得し、雑誌というマスコミを使って情報公開戦略する。そして法定の場で正義を問う。今回、大きな役割を演じる二人が新たに登場する。大怪我のリスベットを手術した医師と裁判でリスベットの弁護士を務めるミカエルの妹。正義と悪の図式がはっきりした時点での登場だが、ブレない仕事ぶりが頼もしい。


映画はかなり娯楽に徹した部分があるので、原作のテーマをどこまで表現しているのかよくわからない。急死したと言われる原作者スティーグ・ラーソンの追いかけたものをかなりとらえているのではないか。

コメント
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