有田芳生の『酔醒漫録』

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年金生活タクシードライバーの嘆き

2010-10-07 23:40:26 | 参議院

10月7日(木、夜版)今年の参議院選挙で新人として当選したのは13人(3年前は33人。ここでも「惨敗」という事実がわかる)。その同期懇親会があった。「会長」は最年長だけの理由で私。会の名称を3つ提唱していたが「紅玉会」(ルビーの会)に決定。当選した13人。その数字は「ルビー」を意味して日本語にすると「紅玉」。多数決でそうなった。夕方の新橋。駅の近くに個人経営の立ち食い蕎麦屋がある。そこでわかめ蕎麦を食べた。店主と会話。「タクシーの運転手さんもよく来てくれるんです。年金だけでは食べていけないから週に2,3日タクシーの仕事をして7万円から8万円を稼がなくてはいけない。ぼやいていますよ」。蕎麦屋もチェーンでないからここ数年売り上げは3割り減ったという。「景気はよくなるんでしょうか。お願いしますよ」と言われ、厳粛な気持ちになった。権力闘争をしている時代ではないだろう。「救国」という言葉を現実のものにしなければならない。明日もまた本会議で「この国の行方」が議論される。


「気品の高さ」の復権を

2010-10-07 18:20:06 | 参議院

 10月7日(木)本会議の雰囲気を思い返しつつ歩いていて丸谷才一さんの『あいさつは一仕事』のなかの「趣味のよさと論理的な思考」を読み直した。丸谷さんが旧制新潟高校時代の友人を偲んだ挨拶だ。美術史学者の中山公男さんに触れてこう語っている。戦後の日本が基本的人権や言論の自由など「すばらしい」ものを手に入れた一方で、失ったものがあるというくだりだ。「しかしそれと引き換へにしてのやうに、日本は趣味のよさを失ってしまつた。上品で優雅な感覚が大事なものでなくなり、庶民的とか生命力とかキッチとかいろいろ称して、ガラの悪さが横行する世の中になつた。その時代に逆らつて悪趣味を嫌ひつづけた気品の高い批評家、志のある知識人が中山公男でありました」。参議院だけではない。いま日本に求められているのは「気品の高さ」の復権なのだ。


テレビでは見えない「良識の府」の現実

2010-10-07 12:54:48 | 参議院

 10月7日(木)9時半からの議員総会に続いて参議院本会議が開かれた。菅首相の所信表明演説に対する質問のトップバッターは自民党の小坂憲次さん。「参院選挙の結果、直近の民意は自民党にある」と事実無根の自画自賛からはじまった。小坂演説に呼応して閣僚席に対する野次が続く。さまざまな政策テーマについて質問が続くが、いずれも予想内のもので意外性がまったくない。言葉の深度が浅く、表面的だから面白くない。「検察の暴走とばかりいえない」と昨今の情況を評価したのは「小沢問題」に持っていきたいから。閣僚のなかにも代表選で小沢一郎元幹事長に投票した者がいるとの指摘。そのあとに続いた言葉は「機会があればお聞きしたい」で終わり。これが原稿ならば編集者はこの部分はばっさり削除する。まさに蛇足。菅首相は答弁のはじめ、グラスに水を入れた。すかさず「早く飲め!」「早く読め!」の野次。しばし罵声の発生源を観察した。眼を三角にして吠え続ける者。両手をだらりと左右に下げてだらしない姿勢で叫んでいるもの。その顔姿が固定化してしまうのではないかと心配になるほどの形相だ。これが「良識の府」の現実である。