『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「おくりびと」 なぜ脱がん!

2008年09月18日 | 映画
広末涼子、脱ぐべきやったんと違いますか?
八の字眉毛状態を保つモックンは、銭湯での入浴シーンをはじめ、“おむつ”ヌードまで披露してくれます。
ダブル主演(こう表記するのはサンケイスポーツくらいですが)というくらいなら、それくらいのことしてくれんと、あの流れで見せずじまいやったら、主演とはいえまへんで。
しかも、滝田洋二郎監督は『秘密』で、すでにエロいセリフ(娘を持つ父親になった今、このセリフを聞くのは怖い!)を言わせてた恩人(この人「病院へ行こう2」でも小泉今日子にエロいセリフを言わせとったなぁ~)やんか!
脚本読んで、賞を受賞するような映画やと思われへんかったんか!
この映画は、脱ぎ時映画やったのに、惜しい事したなぁ~・・・。
な~んて、かく言う私も、賞取るような映画やと思ってなかったよ~!
失礼ながら滝田洋二郎監督は、終わった人やと思ってましたわ。
『コミック雑誌なんかいらない!』をビデオで見て以降、『木村家のひとびと』から、『シャ乱Qの演歌の花道』まで、かかさず映画館で追っかけとったけど、まぁものの見事に、漸減していく成長曲線に耐え切れず、もうええやろと見切った後(一色伸幸と切れた後ね)も、ベストセラー原作の映画や、有名人初主演映画、ちょっと毛色の違う時代劇映画と、ちっとも作家性を感じさせない、どっちか言うたら映画会社の企画主導で引っ張ってもろてる職人監督って感じで、滝田なら見んでええかって足が遠のいたんよ。
で、モントリオール映画祭(親日の映画祭やけど)で賞もろて、アカデミー賞の日本代表になると聞いてあわてて見たひさしぶりの滝田作品は、納棺師という知られざる職業を伊丹映画風に見せるかと思いきや、そこは松竹映画、硬派な方向には興味がなく、笑い泣き路線で描いてくれたんが嬉しいわ~。
この納棺師という仕事ぶりを見せるのに、映画をもってきたんは大正解やな。
職業HOW TO とか職業差別を受けるとことか、それぞれの死を人間ドラマとつなげて見せるのんは、本とか漫画とかでもええかもしれんけど、あの手際のいい所作は実際の動きを見ることで、あらゆるものを説得させるに相応しいもんやからな。
ずいぶんと寝やすくなった晩やけど、うちの幼稚園児はいまだに大汗をかいて寝とって、夜中にパジャマを着せ替えるんやけど、これがむずかしい。
下手すると、せっかくよう寝てたのに、起してしまい、再度の寝かしつけをせなあかんことも。
それが、納棺師の手にかかったら、まぁ簡単に着せ替えしますやんか。
死後硬直で体も固まってる上、みんなこっちに注目してるから失敗もでけへん。
あの動きは、冒頭から釘付けになったもんなぁ~。
「ん!?ん!ん?」と何か見つけて笑わす。
最後の「ん!?ん!ん?」と見つけたもんは、それがなんであるか、わかっとっても泣かす。
父親になってはじめてわかる父親の気持ち、その時に納棺師という職業に就いてた運命の流れがたまりません。
にっかつポルノ映画界にいた滝田洋二郎を大抜擢したのが内田裕也で、義理の息子:本木雅弘が持ってきた企画で海外の賞をとる。
これも大いなる運命の流れやな!


★★★★