『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」 すべらない男

2007年06月08日 | 映画
カザフスタン。
1997年、初めてのワールドカップ出場がかかる加茂ジャパンが、アジア最終予選で1勝1敗1分とパっとせず、カザフスタン、ウズベキスタンのアウェー2戦で確実に勝利して帰ってくる予定が、いきなりロスタイムで引き分けに持ち込まれ監督更迭までおこったとこ。
そん時から、謎の多い国カザフスタンでした。
だって今やってるユーロ2008で予選戦ってるんだもん!
いつのまにか、アジアからヨーロッパ所属になってやんの。
だからボラットみたいなおっさんがTV局のレポーターやって言うても何ら不思議ではないし、あの国歌がほんまもんかどうかも定かではない。
映画自体がそうだ。
どこまでがほんまで、どこからが作りもんの映画か。
ここが実に面白い。
森達也や、長江俊和の「放送禁止」シリーズで、メディア・リテラシーを鍛えられたおかげで、最初のカザフスタンの紹介シ-ンは、「あぁこういう風に笑かしていくんやねと」思たけど、アメリカに行ってからの行動がうまくドキュメンタリーと同化して素晴らしいモキュメンタリーになってる。
数々のチン行動は、「人志松本のすべらない話」に出てくる「すべらない話」級で、さらにそこから浮き出る批評精神は、さすがモンティパイソンを生んだ国の出だけあるで~。
圧巻は「ロデオ大会」のとこ。
なるほどブッシュが勝利した理由がようわかるわ!
年金めちゃくちゃにされて、現役大臣が自殺までするほど怪しい金が動いてるのに、いまだに自民党言うてる人のおる日本にもボラット来てくんないかなぁ~。
そん時は、「アメリカの真の姿を暴くための手法として、あそこまでバカを使うと、カザフスタンが気の毒で、笑うどころか白けてしまった。」とコメントした田嶋陽子女史と対談してほしいなぁ~。
この映画にもんく言うてないカザフスタンという国の懐の大きさを見習ってよ、オバサン!!

主演の、サシャ・バロン・コーエン(通称:サーャ)は、SNL(サタデー・ナイト・ライブ)コメディアン同様、巧みなキャラクター像を作り上げてそれが一人歩きするような作品作りをしてきた人。
前作「アリG」は、サーャのもう一人の持ちネタ、気弱・真面目・エロのラッパーというキャラ“アリG”が、なぜか政治家になるという映画で、各国首脳と歓談するシーンでカザフスタン代表でボラットが出てくるとこまである。
なかなかに面白い作品やったけど、よくあるキャラ立ちコメディといった感じやった。
DVDの特典映像に、モキュメンタリー(というより単なるイタズラ)っぽいとこがあったけど、そこから膨らましたんかなぁ~。
見えそで見えない、全裸レスリングは『オースティン・パワーズ』のジェイ・ローチのネタやろな~。

そういえば「ウルルン滞在記」で高橋真唯がルーマニアに行ってたけど、現地の人、挨拶でチューばっかりしてたよ!


★★★