『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「ポセイドン」 ここでもドイツ

2006年06月16日 | 映画
今、アメリカを除く全世界を虜にしているFIFAワールドカップ サッカー開催国のドイツが誇るウォルフガング・ペーターゼン監督。
アカデミー賞6部門にノミネートされた「U・ボート」(元造船工場の溶接工 村上ショージ永遠のベスト1映画)の後、西ドイツ映画界が総力を結集したビッグプロジェクト「ネバーエンディング・ストーリー」を全世界的にヒットさせ、ハリウッドに招かれた後、ビッグバジェットの娯楽作を高品質で提供してきた職人監督。
でも「パーフェクト ストーム」でがっくりきてからは・・・。
スタローンのラストアクション作品であったはずの「デイライト」がそこそこ面白かったのは、「ポセイドン・アドベンチャー」をパクったからなんですが、そんな優良フォーマットを、転覆だけが見せ場の「パーフェクト ストーム」に、「U・ボート」の閉塞感と、「アウトブレイク」のタイムサスペンス、「トロイ」で培ったCG技術を駆使すれば面白くならないわけがない!

なのに「面白かったね~」だけで何も残らなかった。
なぜだ!
それは人間ドラマなしで、ひたすらパニック・アクションに徹したからだ。
それが、ええねん!という場合もあるけど、オリジナルの「ポセイドン・アドベンチャー」は見るたび、ええねん!やのに。
足手まといのおばあさんが一世一代の水泳を見せるところや、見るからに悪人ヅラのアーネスト・ボーグナインの心の揺れは1度目からベタに感動、カトリックの司祭とプロテスタントの牧師をあらゆる局面で対比させてたところは、深い意味を知った上で感動と、見るたび新しい発見をさせてくれる映画やった。
ジーン・ハックマンが演じた牧師に当たる役が、「バックドラフト」の消防士+「ニューヨーク1997」アイパッチのカリスマニューヨーカー カート・ラッセルで、ニョーヨーク市長という役どころ。
あんたなら、なんとかするでしょ。
水泳おばあさんに当たる役が、出てきた瞬間リチャード・ドレイファスに違いないと確信!
厭世感漂う孤独なゲイが、後に自分の命をなげうつ献身っぷりを楽しみにしてたら、彼氏候補でさえも、さっきまで自殺したかった人とは思えない生への執着心で蹴りをガシガシの非道っぷり。
なら、兄マット・ディロンに“イヤミ”顔がそっくりな、文句いいのギャンブラー ケヴィン・ディロンもあっさりと死ぬ事から、これは胸のすく死にざまを用意してるに違いないと思ったら、なんやあの扱い。
「金もうけ、悪いことですか?」って言えるヤツはこれくらいでなくちゃいかんのか~。
なんか、顔が「ザ・シークレット・サービス」の時のジョン・マルコヴィッチに見えましたよ。
あとわからんのが、最後の方、あのガキなんで一人で閉じ込められたの?
単に盛り上げるシーンだけのためとしか思えんけど。

まぁ、サッカーばっかり見てる今は、こんな映画の方がありがたいね~。
映画と一緒になって息止めたのは夢中になってる証拠やもんな~(ガキより息が続かんかった・・・)。
USJの「バック・ドラフト」ツアー、そろそろ飽きてきたから、「ポセイドン・アドベンチャー」ツアーに変えてくれ~。


★★★