お湯の国 日本

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竹久夢二(湯涌なる・・・湯涌温泉)

2009年08月07日 |   ✒歌碑句碑 紀行

映像:湯涌温泉の高台、薬師寺境内に苔生した竹久夢二の歌碑。

大正浪漫の騎手竹久夢二の愛の足跡。愛人の美大生
笠井彦乃(19歳)と知り合いおよそ3週間、湯涌温泉
恋の逃避行をしている。その頃の作品と思われる

碑文:『湯涌なる 山ふところの 小春日に
       目閉じ死なむと きみのいふなり』

 彦乃は、この後、結核で短い生涯を散らしたが、
 夢二が、いかに彼女を愛していたのかが伺える。 
 竹久夢二が彦乃を慕い歌ったと思われる歌4首

 『なつかしき娘とばかり思ひしをいつしか哀しき恋人となる』
  解釈:妹の様に可愛いと思っていたがいつしか愛してしまった

 『かたはらにしづかにあるもものいふもいはぬもよけれわが妻なれば』
  解釈:ただ側にいるだけでいいのです。愛しい人だから

 『つつましくかしこき命いたわりて好き日を見んと手をとりて泣く』
  解釈:尊い貴方との幸せな日々を夢見て華奢な手を握り涙を流す

 『心の中へぽかんと大きな穴があき、そこから寂寞湧いてくるなり』
  解釈:貴方を失い何も考える事ができない。哀しみだけが心に充ちる

人を愛する時、好きで好きで堪らない時、失う恐怖が付きまとう。彦乃
は当時では不治の病結核であった。その事を知っての同棲‣逃避行。竹久
夢二の切なく物悲しい美人画の画風原点は彦乃や彼が愛した女性にある

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