夜半に降っていた雨はあがり、ホテルの窓から朝日が望めた。
かすかにクラクションの音が聞こえ、サイゴン川と平行して走る道路には、すでにバイクの群れが。
朝食は、ホテルライフの楽しみのひとつ。熱いコーヒー、焼きたてのパン、フレッシュなジュースとサラダ。
ケッパーや胡椒の実をトッピングして、スモークされたハムやカマンベールといっしょに。
お風呂と身支度を済ませてから、ロビーに集合して市内観光へ。
行事をいくつか入れて、はじめてチームワークが生まれ、研修旅行になる。行き帰りがいっしょだけなら、サロン全員で行かせていただく意味がなくなると…
まずは、戦争博物館。
ベトナム戦争でのアメリカの犯した罪を実証する写真や資料の数々。
袋に入れて、川に放り込む拷問。命乞いをする老人。
爆弾投下直後、逃げ惑う子供たちと、何食わぬ顔で引き上げる米兵 ↑
思わず、疑い、目を背けたくなる光景が…。
上の写真の少年は、生まれつき腕がない。足で絵を描いて生きている。
B29から投下された無数の地雷が、まだ数多く眠っているベトナム国土。
枯れ葉剤によってたくさんの命が奪われ、無数の障害者や奇形児の誕生という悲劇が現在もなお続いているという、悲しすぎる現実。
いつもは、若さゆえのジョークや明るい談笑が絶えないみんなの顔から、微笑みさえも奪いさる、人類の脈々と繰り返される愚行。
憲法解釈の拡大や改憲に揺れる日本が、「平和」の大切さを世界に示せる平和憲法を安易に、決して変えてはならないという想いを新たにしました。
さらに旧官邸を訪問、他国からの侵略に翻弄され、現在の社会主義国家に辿り着いた、悲しく、長きその歴史を、ガイドのアンさんから聴かせていただきました。
そのあと、国立郵便局、ベンタン市場、日本人街、中華街、漆塗り工芸の工場、全土から仕入れにやってくる小売業者の集まる卸市場、華僑の寺院を回りました。
偶然にも、結婚したばかりの新郎新婦の撮影現場に遭遇。
公共の鉄道がなく、バイクで走り回り、懸命に働き、生きぬいているベトナムの民。そのバイタリティの根源の一端に触れ、様々な思いが頭を逡巡する時間となりました。
iPhoneから送信
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます