9月26日、山下達郎セレクトの記念ニューベストCDがでる。
アルバム名も、CDのデザインもわからないが、すでに、初回限定版を、amazonでポチッたわけだ。ファンというものは、そういうものである。でも、その曲のセットは私のベストとは、きっと、かなり異なっているにちがいない。
私のなかのベストは、なんといっても、2枚目の「SPACY」に尽きる。
あとは、3枚目「GO AHEAD」と5枚目「FOR YOU」からの数曲だろうか。
http://youtu.be/F27soBbri-o → love space
遡ること36年前、初めてこのアルバムに、針を落としたときの衝撃は言葉では表せない。
1曲目の「ラブ・スペース」で村上・ポンタ・秀一のドラムが、きらびやかなクラッシュ・シンバルからタムタムを経て、バスタムに至り、坂本龍一のシンセとエレピが、流れるがごとくに、追いかけるフィル・インを聴いた瞬間から、電撃に撃たれたごとくにファンとなり、現在に到っている。音も文章も、まさしく「タツラー」なのである。
以前にも書かせていただいたことがあるが、当時、フォークソングが全盛の時代に、現代でも通じる楽曲を書き、なおかつアレンジでも2、3歩どころか10歩は先を走っていた。
1978年当時、リズムにおいて、頭を半拍、先にくうことを当たり前におこなっていたのは、日本の音楽シーンにおいて山下達郎だけだと思う。例えていうなら、みんなが野道を自転車のペダルをこいでいた時代に、彼だけがハイウェイで、ポルシェのアクセルを踏んでいたというわけだ。フェラーリではなく、ポルシェ。それまで例のなかった楽曲のアレンジパターン。「最新のポルシェが、最速のポルシェ」のごとく、正確無比に、ドラムは乾いた、独特のパターンで8ビートを刻みながら、上物(ギター、キーボードなど譜割で)は16ビートを刻んでいたということがいいたいわけです。
http://youtu.be/nprYe0an1Vs → Let’ Dace Baby
好きや嫌いやと、直接表現の楽曲ばかりのなか、ニューミュージックが出始めたころで、詞の世界においても、ユーミンと達郎は双璧だった。柔らかく、間接的に想いを伝える吉田美奈子の歌詞は、やはり一歩先んじていたなあ。
ああ、ほんとうに、今思い出しても、鳥肌ものである。
http://youtu.be/DPvWGbObvT0 → Sparcle
とにもかくにも、30数年間の集大成。どんな達郎自身のセレクトになるか、いまから9月が楽しみな私です。
◆山下達郎 BESTは以下から