ブリコルールの日々

キャッチし、発信するアンテナ。ANTENNE アンテーヌ 芦屋・宝塚・三田よりのレアで@な情報発信基地より

見かけませんでした?日焼けしたアヒル

2007-06-30 19:22:08 | NEWS
日焼けした白いアヒルが、世界の海を旅している。



もともとは中国の工場で作られ、香港からアメリカへと船で運ばれるはずだったお風呂用のプラスチック製アヒルのオモチャ。
それを満載したコンテナが、1992年1月29日に太平洋で嵐に遭遇して海へ落下したことから長い旅が始まりました。

最初は3万個のオモチャがあったそうですが、3分の2は南へと流れ、やがてインドネシアやオーストラリア、南米の海岸に流れ着きました。残りの1万個が北へと進み、その年の終わりごろにはアラスカに到達しました。
そこから再び西へと流され、3年ほど日本の東方でうろうろとしたのち、またまた北へ。
日本近海でも、3年もうろうろしてたらしい。ベーリング海峡を抜けるまでに、多くが座礁したりして脱落。

旅が始まって8年ぐらいすると、アヒルの姿は北太平洋で見られるようになり、2003年にはアメリカ東海岸に流れ着くものが現れました。
太平洋から大西洋へ。
この時点でもすごい。アヒルがんばれ!と応援したくなる。

米First Years社はアヒルのオモチャ1つにつき50ポンド(100ドル:約1万2000円)の報奨金を出すことを決定。すでにアヒルは強い日差しと海水によって白くなっているそうで、コレクターの間では500ポンド(約12万円)の値で取引されているとか。

自然のことですから、どうなっているのかは誰にもわかりません。
長い長いたびを経て、須磨海岸に流れ着く可能性も無きにしもあらずです。【かなり薄いか・笑い】

なんともロマンのある話。
みなさんも、ビーチで遊んだ後に波打ち際を散策してみましょう。
日焼けしたかわいいアヒルちゃんが見つかるかもですよ!



スイスのロビンソン

2007-06-30 16:33:00 | 書籍紹介

以前、神戸女学院大学院の聴講に行かせていただいていた。
先生は 内田 樹(うちだたつる)という私が尊敬するフランス現代思想の教授である。





その内田先生のブログ(http://blog.tatsuru.com/)に「なぜ若者はうまく働けないのか」というテーマで書かれていた文章を読み、思わず膝を打った。

あの独特のメタファーの効いた内田節が炸裂している。
以下はその抜粋:

【みんなで働き、その成果はみんなでシェアする。働きのないメンバーでも、集団に属している限りはきちんとケアしてもらえる。
働くというのは「そういうこと」である。

だが、社会活動としては消費しか経験がなく、「努力」ということについては受験と就活しか経験がない若い人にはこの理路がうまく理解できない。
どうして自分の努力の成果を他人と分かち合わなくてはいけないのか?
だって、それオレのもんでしょ?

違うのだよ。



『スイスのロビンソン』という、今ではほとんど読まれることのない児童文学作品がある。
これはスイス人一家が無人島に漂着して、そこでロビンソン・クルーソーのような暮らしをするという物語である。
その冒頭近く、漂着したあと、海岸でみんなで魚介類を集めてブイヤベースを作るという場面がある。

スープができたはいいが、皿もスプーンも人数分ないから、みんなでわずかな食器を使い回ししている。すると、子どもの一人がおおぶりの貝殻をとりだして、それでずるずるスープを啜り始めた。
なかなか目端の利く子どもである。
それを見た父親が子どもに問いかける。
「お前は貝殻を使うとスープが効率よく食べられるということに気づいたのだね?」

子どもは誇らしげに「そうです」と答える。
すると父親は厳しい顔をしてこう言う。

「では、なぜお前は貝殻を家族の人数分拾い集めようとせずに、自分の分だけ拾ってきたのだ。お前にはスープを食べる資格がない」
私は9歳くらいのときにこのエピソードを読んで「がーん」としたことを覚えている。】

いつもながらにおもしろい。うちのスタッフに限っては、よもや「働くことの意味」を正しく理解していないメンバーがいるとは考えもしないが。
自分以外の他者になにをなせるか?どんな感動をもたらせるか?

「自己実現のための夢」と「まわりの家族や仲間、社会をふくめた夢」とは達成した後の未来が大きく変わると思うのだが・・。



〈内田樹〉1950年東京生まれ。東京大学卒。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。神戸女学院大学文学部教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論。著書に「ためらいの倫理学」「先生はえらい」「おじさん的思考」等。




アルケミスト

2007-06-30 11:39:51 | 書籍紹介

わかりやすいということは大切です。

グーグルとYahooのTOPページはどちらが見やすく、使いやすいか。 (私見ですが)

本は星の数ほどありますが、誰にでも読めて、「生きる目的」をもう一度思い出させてくれる素晴らしい本はなかなかありません。



「アルキメスト」パウロ・コエーリョ

現代人は夢を忘れてしまった、とよく言われます。大人は仕事に追われ、こどもたちは学業に追われ、本当の夢が何であるか、覚えている暇も見つけ出す機会も失っているのが現実ですね。
夢をあきらめずに、その夢を生きることがいかに大切かをこの作品は教えてくれます。

パウロ・コエーリョはブラジル人。世界中で最も広く読まれている50人の作家の一人にあげられています。彼の作品の中で1番読まれているのがこの本です。南米の作家はマルケスなんかもそうですが、柔らかで、安らぐ文章です。

この「アルケミスト」は、十年に1度、現われるか否かの名著であるといわれていますし、永遠に読みつがれ、多くの人々の心に残っていくと思います。

毎日、忙しいとこぼしているあなた(私のことや!)この本を読んで、ぜひ、もう一度、夢を思い出してみませんか。