ANANDA BHAVAN 人生の芯

ヨガを通じた哲学日記

ハンコを間違えた

2019年04月14日 | 日記
ハンコを間違えた

 家のリフォーム費用を払うのですが金額が大きいのでATMでは無く銀行の窓口で振り込む事にしました。請求書と振込先の銀行口座名、それから通帳とハンコ、銀行のハンコは2つ有るのですが間違いようが有りませんね、それを揃えて銀行へ行きました。

 銀行では引き出し用の伝票と振り込み用の伝票の2枚を同時に書きますといちいち現金を引き出さずに振り込みが出来ます。引き出し用の伝票には請求金額+振り込み手数料の金額を書き、振り込み用の伝票には請求書の金額を記入して捺印します。そうしますと「あれっ、ハンコが違う」、この通帳のハンコは縁(ふち)が欠けている筈なのに欠けていない。高校を卒業する時に学校が作ってプレゼントしてくれたハンコなのでこの通帳を作る頃には既に縁(ふち)が欠けていたのです。しまった、ハンコを間違えた!

 ハンコを取りに家に帰るのも嫌ですし、私は考えました。今は昔と違って通帳を更新する時に登録印の印影を新しい通帳に移しませんし、ハンコは形だけのものでは無かろうか、このハンコが通るかどうか試して見よう。2枚の伝票を窓口に出してしばらく待ちますと名前を呼ばれます。「今日は別のハンコはお持ちでしょうか?」窓口の女性は老人に対して親切ですね、決して「ハンコが違います」とは言いません。そうか、パソコンに登録の印影が出る仕組みなのか。

 いや、このハンコだけですと言いますと窓口の女性は「通帳のカードはお持ちでしょうか、それから運転免許証等の身分証明書は?」と聞きます。カードはいつも通帳とセットにしているのでカードも免許証も有りました。窓口の女性は「それではカードでの振り込みにしましょう」と言って、ヤマダ電機などでカードで買い物をする時に使う暗証番号を打つ器具を出し、暗証番号と決定を打って下さいと言います。カード決済が有効かどうかのチェックですね。

 彼女はさりげなくハンコでの引き出しと振り込み用の伝票を破り、カードでの伝票2枚を私に書かせました。上手いですね。パソコンにカチカチと何やら打ち込んでカードを器具に通し、私に暗証番号と決定を打たせておしまい、振り込みが出来ました。彼女から通帳とカードと免許証を受け取りますと、ごく自然に「お手数をお掛けしました」の言葉が私の口から出ました。ああ恥ずかしい。一緒に居た妻が「いくらまでカードで振り込めるか聞いてちょうだい」と言いますが、兎に角この場を早く逃げ出したいと、銀行をあとにました。

 いやあ、ハンコを間違えてしまった。自分も耄碌(もうろく)したものだとすっかり自信を失った私では有りました。しかし、今ではハンコを使ってお金を引き出したりも振り込んだりもしませんよね。そう言えばオレオレ詐欺の犯人もカードと暗証番号をとは言いますが通帳とハンコをくれとは言わないようです。ですが、時代も変わったものだと自己弁護で自分を正当化しようとは情けない限りで有ります。



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