モーニン
中学生の頃だったと思いますがアート・ブレイキーとジャズメッセンジャーズの「モーニン」が日本でも大ヒットしました。モダンジャズなのに大ヒットとは当時の日本では大変珍しい現象でした。ピアノが「たったたーらりらりーら」と問いかけますとアルトサックスが「だーだ」と答えるゴスペルのスタイルで、ピアノ→サックスのあとはサックス→ピアノと攻守所を変え、主旋律が終わると各自のインプロビゼーション(自由な演奏)が続き、最後にまた主旋律に戻ります。中学生の私は真ん中のインプロビゼーションは無視して主旋律を楽しんでいました。この曲を知らない方、今はNHKのテレビで草刈正雄がやっている「美の壺」で掛かっている曲です。そしてモーニンはmoanin (悶えて)で、morning (朝)では有りません。
あの頃は「アスファルト・ジャングル」と言う映画もありまして、「モーニン」は都会のビル群を私に想像させてくれました。そしてテレビではアメリカの30分刑事ドラマ「マンハント」と言うのが放送されていて「モーニン」の主旋律が効果的に使われていました。が、テレビの画面が狭いので男と男が会話しますのに顔が近すぎると大いに違和感を覚えたものです。
18才で大学に進学し、東京へ出て来まして渋谷駅のあたりのビル群の中に立ちますと、当時は高層ビル等は有りませんでしたが、あの「モーニン」の主旋律が頭の中で響き合いました。
姉が就職しまして簡単なステレオセットを買いますと私はEPレコードでオスカー・ピーターソンの「モーニン」を買ってアパートで聞きました。オスカー・ピーターソンのピアノ演奏は素晴らしく、これを聞いていますと余りの心地良さに居眠りをしてしまったものです。
しかし「モーニン」は余りにもポピュラーな曲なものですから、大学生活から就職したあたりの頃にモダンジャズの話題に「モーニン」は出て来なくなり、私もオスカー・ピーターソン、ラムゼイ・ルイス、バド・パウウェル、そしてマル・ウォルドロンのピアノ、またエリック・ドルフィーのバスクラリネットを夢中で聞くようになっていました。
しかし、懐かしいものは懐かしい。
ここ数年私はテレビでYouTube を楽しんでいますが、アンドレア・モティスの「モーニン」を見つけました。ハイネケンのコンサートのようですがアンドレア・モティスのグループはどうやらスペイン人、そしてアンドレア・モティスはヴォーカルとトランペットの担当で、先ず「モーニン」の主旋律を歌います。「モーニン」に歌詞が付いているとは知りませんでしたが、調べてみますとサラ・ヴォーンあたりが歌詞を付けて歌っているようです。アンドレア・モティスのヴォーカルは愁いを含んでいて心地良いのですが次のトランペットが。ヴォーカル→トランペット→ピアノ→ギターと続いてトランペット→ヴォーカルに戻るのですがトランペットがギターの邪魔をしていてもったいないこと。このグループではギターが素晴らしいのです。
アンドレア・モティスはヴォーカルは良いけどトランペットがねえ、と思いましたが調べて見ますとアンドレア・モティスはトランペットの天才としてクインシー・ジョーンズに見いだされたのだと言います。なので思い直してYouTube で探して色々と聞いてみますとこれがなかなかよろしい。あのハイネケンのコンサートの「モーニン」だけが特別に駄目だったようです。そして。
SANT ANDREU JAZZ BANDの「モーニン」を見つけました。大勢で演奏する軽音楽バンドのようですがここでアンドレア・モティスはヴォーカルとトランペットを担当しています。そしてヴォーカルもトランペットも軽快で爽やか、そしてあのギターも出演していてやはり素晴らしい。これは白人のバンドで、アート・ブレイキーとジャズメッセンジャーズの初代「モーニン」からブルースフィーリングを抜き取るとこうなるのね、と言う演奏でした。
ブルースフィーリングが無くただただ軽快で爽やかな演奏なので重く無く、就寝前に聞くのがお勧めです。アンドレア・モティスは小柄な女性ですが、きゃしゃな身体から良くあんな演奏が出来るものです。
中学生の頃だったと思いますがアート・ブレイキーとジャズメッセンジャーズの「モーニン」が日本でも大ヒットしました。モダンジャズなのに大ヒットとは当時の日本では大変珍しい現象でした。ピアノが「たったたーらりらりーら」と問いかけますとアルトサックスが「だーだ」と答えるゴスペルのスタイルで、ピアノ→サックスのあとはサックス→ピアノと攻守所を変え、主旋律が終わると各自のインプロビゼーション(自由な演奏)が続き、最後にまた主旋律に戻ります。中学生の私は真ん中のインプロビゼーションは無視して主旋律を楽しんでいました。この曲を知らない方、今はNHKのテレビで草刈正雄がやっている「美の壺」で掛かっている曲です。そしてモーニンはmoanin (悶えて)で、morning (朝)では有りません。
あの頃は「アスファルト・ジャングル」と言う映画もありまして、「モーニン」は都会のビル群を私に想像させてくれました。そしてテレビではアメリカの30分刑事ドラマ「マンハント」と言うのが放送されていて「モーニン」の主旋律が効果的に使われていました。が、テレビの画面が狭いので男と男が会話しますのに顔が近すぎると大いに違和感を覚えたものです。
18才で大学に進学し、東京へ出て来まして渋谷駅のあたりのビル群の中に立ちますと、当時は高層ビル等は有りませんでしたが、あの「モーニン」の主旋律が頭の中で響き合いました。
姉が就職しまして簡単なステレオセットを買いますと私はEPレコードでオスカー・ピーターソンの「モーニン」を買ってアパートで聞きました。オスカー・ピーターソンのピアノ演奏は素晴らしく、これを聞いていますと余りの心地良さに居眠りをしてしまったものです。
しかし「モーニン」は余りにもポピュラーな曲なものですから、大学生活から就職したあたりの頃にモダンジャズの話題に「モーニン」は出て来なくなり、私もオスカー・ピーターソン、ラムゼイ・ルイス、バド・パウウェル、そしてマル・ウォルドロンのピアノ、またエリック・ドルフィーのバスクラリネットを夢中で聞くようになっていました。
しかし、懐かしいものは懐かしい。
ここ数年私はテレビでYouTube を楽しんでいますが、アンドレア・モティスの「モーニン」を見つけました。ハイネケンのコンサートのようですがアンドレア・モティスのグループはどうやらスペイン人、そしてアンドレア・モティスはヴォーカルとトランペットの担当で、先ず「モーニン」の主旋律を歌います。「モーニン」に歌詞が付いているとは知りませんでしたが、調べてみますとサラ・ヴォーンあたりが歌詞を付けて歌っているようです。アンドレア・モティスのヴォーカルは愁いを含んでいて心地良いのですが次のトランペットが。ヴォーカル→トランペット→ピアノ→ギターと続いてトランペット→ヴォーカルに戻るのですがトランペットがギターの邪魔をしていてもったいないこと。このグループではギターが素晴らしいのです。
アンドレア・モティスはヴォーカルは良いけどトランペットがねえ、と思いましたが調べて見ますとアンドレア・モティスはトランペットの天才としてクインシー・ジョーンズに見いだされたのだと言います。なので思い直してYouTube で探して色々と聞いてみますとこれがなかなかよろしい。あのハイネケンのコンサートの「モーニン」だけが特別に駄目だったようです。そして。
SANT ANDREU JAZZ BANDの「モーニン」を見つけました。大勢で演奏する軽音楽バンドのようですがここでアンドレア・モティスはヴォーカルとトランペットを担当しています。そしてヴォーカルもトランペットも軽快で爽やか、そしてあのギターも出演していてやはり素晴らしい。これは白人のバンドで、アート・ブレイキーとジャズメッセンジャーズの初代「モーニン」からブルースフィーリングを抜き取るとこうなるのね、と言う演奏でした。
ブルースフィーリングが無くただただ軽快で爽やかな演奏なので重く無く、就寝前に聞くのがお勧めです。アンドレア・モティスは小柄な女性ですが、きゃしゃな身体から良くあんな演奏が出来るものです。