国際ヨガの日
6月10日(水)でしたか、夕方に日本ゴーシュ・ヨガ道場のジバナンダ・ゴーシュ先生から電話が入りました。「6月の21日が世界のヨガの日に決まったの。ヨガの練習着とパンジャビ(インドの男性用の衣服で、長袖で丈の長いシャツ)を持って、6月21日の日曜日の朝8時に道場に来て下さい、一緒に銀座へ行きましょう」。そして「まだ決まっていないの、15日に決まるからまた電話します」との事でした。
世界のヨガの日と言うのが制定されて世界中でヨガのイベントをやる。日本ではインド大使館の主催でヨガのイベントを開き、会場の一角では「老人の為のヨガ」コーナーが設けられてお年寄りを対象にゴーシュ先生がお話をして道場の古い生徒さん達が老人の為のヨガの実演をやって見せると言うのは有りそうな話です。私も少しは日本でのヨガの普及のお役に立てるのかと楽しみになりました。
そして15日の夕方に先生から電話が有りましたが、「まだ決まってない、明日電話しますね」、そして16日にも「まだ決まってない、明日か明後日に電話しますね」との事です。催し全体の枠組みが決まっておらず、そうするとゴーシュ先生の役割もまだ決まっていないのだろうか。
17日の夕方になっても先生から電話が来ませんので、私はインターネットで調べて見ました。「インド大使館世界ヨガの日イベント」と打ち込みますと出て来ました。昨年の12月にインドのモディ首相の提案を受けて、国連が6月21日を「国際ヨガの日」と決めた。ついては、日本では銀座の中央区立泰明小学校を会場として6月21日(日)の午前中にインド大使館の主催でヨガの講習会を行う。定員に制限が有るので添付の申込書に記入の上6月18日までに申し込んで下さいと書いて有ります。更には着替え室やロッカーの用意が無いので、運動着にスニーカーで来場下さいと有り、これでは遠方からの参加は無理のようです。
大使館の案内には当日ヨガの指導をする先生も紹介して有ります。ヴィヴェーカーナンダ・カルチュラルセンターのPt.ヴェムパティと言う先生のようです。そして先生の写真の横には体育館内での練習の様子の写真も有り、どうやらこの講習会の対象は30人から40人位だろうと思われました。
ここまで決まっていて、そうするとゴーシュ先生の立場はどうなのだろうか。
私は2つのケースを考えて見ました。1つは、ゴーシュ先生もお歳なので長年日本でのヨガの普及に貢献した感謝すべき人としてインド大使館がゴーシュ先生をイベントに招待し、先生はイベントの視察をする。そしてもう1つは、ヨガの講習会への応募が思ったように集まらず、サクラとして受講生を何人か連れて来てくれないかと言う要請をゴーシュ先生が受けると言うケースです。どうなのだろうか。
6月19日(金)の夕方にゴーシュ先生から電話が入りました。「21日の日曜日は背広にネクタイの服装で、デジカメを持って、道場には7時半に来て下さい」、「ヨガの練習着は必要ですか?」、「それは要らない」。そして私が「7時半ですか?」と絶句しますと「昔はもっと早く練習に来ていたでしょ」と返り討ちに会ってしまいました。ゴーシュ先生はインド大使館からゲストとして招待され、そして数人の生徒さん達がゴーシュ先生に随行する事になるようで、これが一番良いと私は思いました。
6月21日(日)の午前7時15分に眠い目をこすりながら道場へ行きますと、そこには既に私と同年配と思われるFさんが来ていました。Fさんと私がゴーシュ先生に随行するようで、道場のインストラクターの先生はお留守番だそうです。インストラクターの先生はデジタルのムービーカメラとインスタントカメラをカバンから取り出し、先生が1人はムービー、1人はカメラを撮って下さいと言いますとFさんは素早くインスタントカメラを取り、ムービーカメラは私の担当になってしまいました。ムービーカメラの経験の無い私にはインストラクターの先生が簡単に使い方を教えてくれました。「ムービーカメラと私のデジカメのどちらを優先しますか?」と聞きますと先生は「ムービーカメラの方ね」と言います。
受付開始の1時間前に会場に着いた私達はイベントのスタッフが屋外の運動場にヨガマットを敷設しているのを手伝いました。そして受付が始まる頃には雨が少し強くなり、「講習会は運動場から体育館へ変更になります」とアナウンスが有り、私達は再びヨガマットを運動場から体育館へと移動させました。ゴーシュ先生と私は「初めから体育館でやれば良いのに」と呟いたものです。
受講生の9割方は女性でした。体育館の1階は180人程で一杯になり、「これからの方は2階へ上がって下さい、2階ではスクリーンで先生の指導を受けられます」とのアナウンスが入ります。結局、泰明小学校には400人近くの受講生が集まりました。30人から40人と言う私の予想は見事に外れてしまいました。
10時からイベントは始まり、長過ぎる程のインド大使(女性です)のご挨拶も終わり、Pt.ラヴィ・ヴェムパティ先生のヨガの指導が始まります。先生は先ず受講生を前にスーリヤ・ナマスカル(太陽礼拝)をやって見せます。そしてそれが終わると受講生達を立たせて軽いヨガ体操を3つ程やって受講生達の身体をほぐします。そしてアサナ(ヨガのポーズ)の指導が始まり、臥位でのブジャンガ・アーサナ(コブラのポーズ)、サルバーサナ(バッタのポーズ)等をやり、座位ではアルダ・マッツェンドラアーサナ(半分のマッツェンドラ神のポーズ、ひねりのポーズ)、立位ではトリコナーサナ(三角形のポーズ)、パダハスタ・アーサナ(直立のあと前屈して額を膝【ひざ】に付けるポーズ)等、初心者にも無理の無いアサナ(ヨガのポーズ)が選ばれているのが分かりました。
アサナ(ヨガのポーズ)が終わると呼吸法に入ります。スルジョベドナ(左の鼻孔から息を吸い、右の鼻孔から息を吐く。次に右の鼻孔から息を吸い、左の鼻孔から息を吐く)のあとはプラーナヤーマ(調息)でしたがこれは形だけの指導でした。ヨガの練習は10ヶ月程は続けないと効果が自覚出来ませんし、ましてやプラーナヤーマ(調息)は先生から弟子に直に教える性質のものですから1時間程のイベントですと形だけの指導の方が良いのです。そして私もチャンスをとらえながらデジタルのムービーカメラと自分のデジカメとで現場の様子を撮影する事が出来ました。
こうしてインド大使館主催のヨガの講習は盛況のうちに終了しましたが、ゴーシュ先生には計画が有りました。2006年に亡くなられたゴーシュ先生の奥様のコルナ・ゴーシュ先生が生前に自費出版されていた「インドの家庭料理の本」が有るのですが、ゴーシュ先生はインド大使館と話を詰めて、当日の受講生にはインド関係のブックレットを入れた手提げ袋のお土産を無料で配る事にして、この「インドの家庭料理の本」も手提げ袋に入れたのです。午後3時からのインド大使館でのイベント分も含めて本は全部で700冊、すべて無料でした。
イベント会場からの帰りの地下鉄の中でゴーシュ先生は、「今日の内容はうちで教えているものと違うが、批判してはいけない」と言われ、私も「裾野を広げる事も大事ですから」と応えました。
今回の「国際ヨガの日」では、ゴーシュ先生にとってはコルナ先生の「インドの家庭料理の本」を無料で配られた事が一番の喜びだったようです。
6月10日(水)でしたか、夕方に日本ゴーシュ・ヨガ道場のジバナンダ・ゴーシュ先生から電話が入りました。「6月の21日が世界のヨガの日に決まったの。ヨガの練習着とパンジャビ(インドの男性用の衣服で、長袖で丈の長いシャツ)を持って、6月21日の日曜日の朝8時に道場に来て下さい、一緒に銀座へ行きましょう」。そして「まだ決まっていないの、15日に決まるからまた電話します」との事でした。
世界のヨガの日と言うのが制定されて世界中でヨガのイベントをやる。日本ではインド大使館の主催でヨガのイベントを開き、会場の一角では「老人の為のヨガ」コーナーが設けられてお年寄りを対象にゴーシュ先生がお話をして道場の古い生徒さん達が老人の為のヨガの実演をやって見せると言うのは有りそうな話です。私も少しは日本でのヨガの普及のお役に立てるのかと楽しみになりました。
そして15日の夕方に先生から電話が有りましたが、「まだ決まってない、明日電話しますね」、そして16日にも「まだ決まってない、明日か明後日に電話しますね」との事です。催し全体の枠組みが決まっておらず、そうするとゴーシュ先生の役割もまだ決まっていないのだろうか。
17日の夕方になっても先生から電話が来ませんので、私はインターネットで調べて見ました。「インド大使館世界ヨガの日イベント」と打ち込みますと出て来ました。昨年の12月にインドのモディ首相の提案を受けて、国連が6月21日を「国際ヨガの日」と決めた。ついては、日本では銀座の中央区立泰明小学校を会場として6月21日(日)の午前中にインド大使館の主催でヨガの講習会を行う。定員に制限が有るので添付の申込書に記入の上6月18日までに申し込んで下さいと書いて有ります。更には着替え室やロッカーの用意が無いので、運動着にスニーカーで来場下さいと有り、これでは遠方からの参加は無理のようです。
大使館の案内には当日ヨガの指導をする先生も紹介して有ります。ヴィヴェーカーナンダ・カルチュラルセンターのPt.ヴェムパティと言う先生のようです。そして先生の写真の横には体育館内での練習の様子の写真も有り、どうやらこの講習会の対象は30人から40人位だろうと思われました。
ここまで決まっていて、そうするとゴーシュ先生の立場はどうなのだろうか。
私は2つのケースを考えて見ました。1つは、ゴーシュ先生もお歳なので長年日本でのヨガの普及に貢献した感謝すべき人としてインド大使館がゴーシュ先生をイベントに招待し、先生はイベントの視察をする。そしてもう1つは、ヨガの講習会への応募が思ったように集まらず、サクラとして受講生を何人か連れて来てくれないかと言う要請をゴーシュ先生が受けると言うケースです。どうなのだろうか。
6月19日(金)の夕方にゴーシュ先生から電話が入りました。「21日の日曜日は背広にネクタイの服装で、デジカメを持って、道場には7時半に来て下さい」、「ヨガの練習着は必要ですか?」、「それは要らない」。そして私が「7時半ですか?」と絶句しますと「昔はもっと早く練習に来ていたでしょ」と返り討ちに会ってしまいました。ゴーシュ先生はインド大使館からゲストとして招待され、そして数人の生徒さん達がゴーシュ先生に随行する事になるようで、これが一番良いと私は思いました。
6月21日(日)の午前7時15分に眠い目をこすりながら道場へ行きますと、そこには既に私と同年配と思われるFさんが来ていました。Fさんと私がゴーシュ先生に随行するようで、道場のインストラクターの先生はお留守番だそうです。インストラクターの先生はデジタルのムービーカメラとインスタントカメラをカバンから取り出し、先生が1人はムービー、1人はカメラを撮って下さいと言いますとFさんは素早くインスタントカメラを取り、ムービーカメラは私の担当になってしまいました。ムービーカメラの経験の無い私にはインストラクターの先生が簡単に使い方を教えてくれました。「ムービーカメラと私のデジカメのどちらを優先しますか?」と聞きますと先生は「ムービーカメラの方ね」と言います。
受付開始の1時間前に会場に着いた私達はイベントのスタッフが屋外の運動場にヨガマットを敷設しているのを手伝いました。そして受付が始まる頃には雨が少し強くなり、「講習会は運動場から体育館へ変更になります」とアナウンスが有り、私達は再びヨガマットを運動場から体育館へと移動させました。ゴーシュ先生と私は「初めから体育館でやれば良いのに」と呟いたものです。
受講生の9割方は女性でした。体育館の1階は180人程で一杯になり、「これからの方は2階へ上がって下さい、2階ではスクリーンで先生の指導を受けられます」とのアナウンスが入ります。結局、泰明小学校には400人近くの受講生が集まりました。30人から40人と言う私の予想は見事に外れてしまいました。
10時からイベントは始まり、長過ぎる程のインド大使(女性です)のご挨拶も終わり、Pt.ラヴィ・ヴェムパティ先生のヨガの指導が始まります。先生は先ず受講生を前にスーリヤ・ナマスカル(太陽礼拝)をやって見せます。そしてそれが終わると受講生達を立たせて軽いヨガ体操を3つ程やって受講生達の身体をほぐします。そしてアサナ(ヨガのポーズ)の指導が始まり、臥位でのブジャンガ・アーサナ(コブラのポーズ)、サルバーサナ(バッタのポーズ)等をやり、座位ではアルダ・マッツェンドラアーサナ(半分のマッツェンドラ神のポーズ、ひねりのポーズ)、立位ではトリコナーサナ(三角形のポーズ)、パダハスタ・アーサナ(直立のあと前屈して額を膝【ひざ】に付けるポーズ)等、初心者にも無理の無いアサナ(ヨガのポーズ)が選ばれているのが分かりました。
アサナ(ヨガのポーズ)が終わると呼吸法に入ります。スルジョベドナ(左の鼻孔から息を吸い、右の鼻孔から息を吐く。次に右の鼻孔から息を吸い、左の鼻孔から息を吐く)のあとはプラーナヤーマ(調息)でしたがこれは形だけの指導でした。ヨガの練習は10ヶ月程は続けないと効果が自覚出来ませんし、ましてやプラーナヤーマ(調息)は先生から弟子に直に教える性質のものですから1時間程のイベントですと形だけの指導の方が良いのです。そして私もチャンスをとらえながらデジタルのムービーカメラと自分のデジカメとで現場の様子を撮影する事が出来ました。
こうしてインド大使館主催のヨガの講習は盛況のうちに終了しましたが、ゴーシュ先生には計画が有りました。2006年に亡くなられたゴーシュ先生の奥様のコルナ・ゴーシュ先生が生前に自費出版されていた「インドの家庭料理の本」が有るのですが、ゴーシュ先生はインド大使館と話を詰めて、当日の受講生にはインド関係のブックレットを入れた手提げ袋のお土産を無料で配る事にして、この「インドの家庭料理の本」も手提げ袋に入れたのです。午後3時からのインド大使館でのイベント分も含めて本は全部で700冊、すべて無料でした。
イベント会場からの帰りの地下鉄の中でゴーシュ先生は、「今日の内容はうちで教えているものと違うが、批判してはいけない」と言われ、私も「裾野を広げる事も大事ですから」と応えました。
今回の「国際ヨガの日」では、ゴーシュ先生にとってはコルナ先生の「インドの家庭料理の本」を無料で配られた事が一番の喜びだったようです。