ANANDA BHAVAN 人生の芯

ヨガを通じた哲学日記

オンベレブンビンバ

2022年10月02日 | 日記
オンベレブンビンバ

 9月25日放映のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」の題は「オンベレブンビンバ」でした。

 北条時政は若い妻に煽られて源実朝を廃して自分達の娘婿を鎌倉殿に就かせようと謀反を決意するのですが、若い妻も好きだが今ではおじさんおばさんになっている子供達との縁も大切、そこで事を起こす前に子供達の所へ酒と肴を持参して思い出話に盛り上がります。そこで時政が「オンベレブンビンバ」と謎の言葉を発し、子供達が「なにそれ」と聞きますと時政は今は亡き源頼朝と政子の娘の大姫が爺様(時政)にこれを唱えれば良い事が起きると教えてくれた呪文だと言います。子供達の義時、時房、政子、実衣達は「それは違う、確かこれこれだった」と皆が大外れ、そこに長澤まさみのナレーションが入り、「正しくはオンタラクソワカ、である」。時政の謀反前の、もう2度とは取り返せない穏やかなひと時でした。

 さて「正しくはオンタラクソワカ」、これ、正しくはオーム タラク スヴァーハーですね。オームはインドの聖音、タラクは虚空蔵菩薩、そしてスヴァーハーは供物を火にくべる時の合図ですから「オーム 虚空蔵菩薩様 供物をご嘉納あれ!」の意となります。スヴァーハーは造物主プラジャーパティーの娘で火神アグニと結ばれますので、バラモンはお祈りの最後に供物を火にくべる時にスヴァーハーと唱えます。

 私の日本ゴーシュ・ヨガ道場ではシヴァ神の事を先生はタラクナートと呼んでいました。タラクナートのナートは神ですが、タラクとは何だろうと梵字手帳と言う本で調べた事が有ります。そこにはタラクとは虚空蔵菩薩の種子文字と有りました。

 しかし何故シヴァ神の事をタラクナートと呼ぶのでしょうか。私は34才の時に初めてインドを訪問しましたが、ヴァラナシ(ベナレス)で現地ガイドのK・K・シンさんに何故シヴァ神の事をタラクナートと呼ぶのか聞いてみました。シンさんはしばらく考えたあとに教えてくれました。ラーマクリシュナがヴァラナシ(ベナレス)を訪れた時にガンジス川のマニカルニカ・ガート(死体を焼く川岸の石段の場所)に居ましたらそこにシヴァ神が現れ、シヴァ神がタラクのマントラを唱えると死者達が天国へ昇って行くのをラーマクリシュナが見た。それ以来シヴァ神の事をタラクナートと呼ぶようになったのだそうです。

 私の頭の中でオンベレブンビンバからオンタラクソワカ、そしてオーム タラク スヴァーハーへと展開して「オーム 虚空蔵菩薩様 供物をご嘉納あれ!」となり、更には何故シヴァ神の事をタラクナートと呼ぶのかに至ったのが面白く、事の次第をFacebook に書いてみましたらまあまあ評判が良い。

 そこで調子をこいて今度はLine 友達のSIにこの話をし、お友達にも教えて下さいねと送信したところ、「あの~、この話題オンタラクソワカは小生の家族含め興味を持つ知人はゼロなんだけど(ゴメン)。そう言えば政子とか北条一族がそれぞれ適当に言っていたっけ。」とつれない返事。そして更には「あなたの奥様も関心無いでしょ!」と追い打ちを掛けられてがっくり。あまりに淋しいので「サイの角のように独り行け(by スッタニパータ
、原始仏典)」と送信したら「私をノイローゼにさせないで!」の返事で万事休す。

 まあ、元々がお遊びなんだから と気を取り直しております。



コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする