新しい救急システム
伯母(私の母の姉)が99才で亡くなり、お葬式に行って来ました。亡くなった伯母には長女と長男が有り、長女には3人の息子が居ます。残念な事に長女は伯母より先に数年前に亡くなりました。そして長女と長男とは大変年が離れていましたので長男と長女の3人の息子達とは見た目には4人兄弟のように映りました。
ところで私の従姉(いとこ)にあたる長女の次男には聴覚の障害が有ります。それで彼のお嫁さんの手話のお手伝いも得て会話をしたのですが私が彼に「僕の息子は消防で救急車の運転をしているよ」と言いますと彼は興味深い事を話し始めました。彼が1度救急車のお世話になった時に彼と救急士はうまく会話が出来なかったけれども、救急士が「大丈夫、大丈夫、落ち着いて」とお世話をしてくれたので彼は安心して病院まで搬送して貰えたと言います。これは結果としての良い話では有りますが、救急患者のお世話が救急士の力量に依存していて救急システムとしては確立していない事を示しています。私はこれまで聴覚障碍者や視覚障碍者の救急搬送について考えた事も有りませんでしたが、本人達にとってこれは待った無しのとても切実な問題です。
次男君は大手の通信会社に勤務していますが、来るべき東京オリンピックに向けて新しい救急システムの開発に取り掛かっているのだと話を続けます。現在の救急システムは電話での会話で成り立っていますが、聴覚障碍者に向けた新しいシステムとして、携帯電話のメールのやり取りで救急搬送を出来るようにするのを目指しているのだそうです。メールには急病人の写真も添付出来ますから、救急士の判断の一助にもなりますね。そしてこの救急システムは地方自治体毎のものとはせず全国共通にする必要が有ると言います。それはそうですよね、救急患者と救急車を出す県とがまたがった場合にシステムが違うでは済まず命に係わる事にもなりますでしょう。
次男君は更に、このメールシステムでは多くの外国語も使えるようにしたいと言いました。このメールによる救急システムが東京オリンピックまでに完成していれば、来日した多くの外国人にも対応出来ますし、もしかしたら聴覚障碍者だけでは無く健常な外国人にとっても電話での会話による救急依頼よりも便利になるかも知れません。
次男君のこの新しい救急システムの計画を聞き、時代は既に間違いなく私の子供達の世代が引っ張っているのだと私は確信しました。
そしてお葬式も終盤、棺に蓋が被せられます時に、99才で亡くなった母親の顔をじっと見つめ続けている長男君の目が大変印象に残りました。彼等夫婦は片道2時間を掛けて毎週この高齢者施設の母親を見舞っていたそうです。時間が掛かるしお金も掛かる、なかなか出来る事では有りません。
伯母(私の母の姉)が99才で亡くなり、お葬式に行って来ました。亡くなった伯母には長女と長男が有り、長女には3人の息子が居ます。残念な事に長女は伯母より先に数年前に亡くなりました。そして長女と長男とは大変年が離れていましたので長男と長女の3人の息子達とは見た目には4人兄弟のように映りました。
ところで私の従姉(いとこ)にあたる長女の次男には聴覚の障害が有ります。それで彼のお嫁さんの手話のお手伝いも得て会話をしたのですが私が彼に「僕の息子は消防で救急車の運転をしているよ」と言いますと彼は興味深い事を話し始めました。彼が1度救急車のお世話になった時に彼と救急士はうまく会話が出来なかったけれども、救急士が「大丈夫、大丈夫、落ち着いて」とお世話をしてくれたので彼は安心して病院まで搬送して貰えたと言います。これは結果としての良い話では有りますが、救急患者のお世話が救急士の力量に依存していて救急システムとしては確立していない事を示しています。私はこれまで聴覚障碍者や視覚障碍者の救急搬送について考えた事も有りませんでしたが、本人達にとってこれは待った無しのとても切実な問題です。
次男君は大手の通信会社に勤務していますが、来るべき東京オリンピックに向けて新しい救急システムの開発に取り掛かっているのだと話を続けます。現在の救急システムは電話での会話で成り立っていますが、聴覚障碍者に向けた新しいシステムとして、携帯電話のメールのやり取りで救急搬送を出来るようにするのを目指しているのだそうです。メールには急病人の写真も添付出来ますから、救急士の判断の一助にもなりますね。そしてこの救急システムは地方自治体毎のものとはせず全国共通にする必要が有ると言います。それはそうですよね、救急患者と救急車を出す県とがまたがった場合にシステムが違うでは済まず命に係わる事にもなりますでしょう。
次男君は更に、このメールシステムでは多くの外国語も使えるようにしたいと言いました。このメールによる救急システムが東京オリンピックまでに完成していれば、来日した多くの外国人にも対応出来ますし、もしかしたら聴覚障碍者だけでは無く健常な外国人にとっても電話での会話による救急依頼よりも便利になるかも知れません。
次男君のこの新しい救急システムの計画を聞き、時代は既に間違いなく私の子供達の世代が引っ張っているのだと私は確信しました。
そしてお葬式も終盤、棺に蓋が被せられます時に、99才で亡くなった母親の顔をじっと見つめ続けている長男君の目が大変印象に残りました。彼等夫婦は片道2時間を掛けて毎週この高齢者施設の母親を見舞っていたそうです。時間が掛かるしお金も掛かる、なかなか出来る事では有りません。