瞑想
瞑想とは何でしょうか。瞑想の字面(じづら)を見ますと「目を閉じて何かを思う」になりますが国語辞典で調べて見ますと「目を閉じて、雑念・妄念を退けて、深く考えること。黙想」と有ります。そうしますとヨガの瞑想は「瞑想」では有りませんね。ヨガの瞑想では雑念にしろ深い考えにしろ、「思う」を止(と)める練習をします。「思う」を止(と)めるですからこれは瞑想とは言えません。ヨガではこれをダーラナ(集中)、ディヤーナ(集中の継続、禅)、サマーディ(解脱)と言い、この3つをまとめてサンヤマ(総制)と呼びます。それでは実際にはどうやって「思うを止(と)める」のでしょうか。
静かに坐って目を閉じますと様々な想念が沸き起こって来ます。そこで心を無にしなければと思って想念を抑圧しますと想念は反発してよりパワフルになりまして、これは失敗。今度は想念が起こるままにして観察していますと想念は自然に消えて次の想念が起こります。そしてこれを続けていますとある時に想念がフッと消える時が有ります。そして想念が消えますとあるビジョンが向こうから現れて来ます。何も思わずビジョンに浸る、この練習をしていますと何年か経ったある朝、解脱体験が訪れます(訪れないかも知れませんがやって見る価値は有ります)。これをサーンキヤ哲学の用語で表現しますとプラクリティからプルシャへの跳躍となります。
しかし、これは難しい。何かもっと簡単な方法は無いものでしょうか。
禅には数息観(すそくかん)と言うのが有りまして、深く静かな呼吸をゆっくりと数えます。つまり、呼吸を数える数字を念じる事によって他の想念が現れるのを防ぐ訳です。私はこの数息観(すそくかん)に、更に7つのチャクラを加えるようにしています。7つのチャクラとは体の下から上へ向かって以下の通りです。
①ムーラダーラ・チャクラ 体の基底部(会陰部。尾てい骨のあたり?)に位置し、筋肉の働きを司る。
②スヴァーディスターナ・チャクラ 生殖器のあたりに位置し、生殖の働きを司る。
③マニプーラ・チャクラ お臍(へそ)のあたりに位置し、食物の消化を司る。
④アナハタ・チャクラ 心臓のあたりに位置し、呼吸と循環を司る。
⑤ヴィシュッダ・チャクラ 喉のあたりに位置し、発声を司る。
⑥アージュニャー・チャクラ 眉間のあたりに位置し、命令を司る。
⑦サハスラーラ・チャクラ 頭頂のあたりに位置し、神との連絡を司る。
それでは深くて静かな呼吸を6回やって見ましょう。静かに坐って目を閉じ、先ずは鼻から息を吸って口から大きく息を吐いてスタートです。
鼻から静かに息を吸いながら意識をムーラダーラ・チャクラに置き、いちいちいちいちいちと5回数える。次に意識をスヴァーディスターナ・チャクラに置いて、いちいちいちいちいち。そしてマニプーラ・チャクラでいちいちいちいちいち、アナハタ・チャクラでいちいちいちいちいち。そしてヴィシュッダ・チャクラでいちいちいちいちいちのあと、更に続けてアージュニャー・チャクラでいちいちいちいちいち、最後にサハスラーラ・チャクラでいちいちいちいちいち、これで息を吸い終わります。5回X7つのチャクラ、合計35回のカウントで息を吸いました。
次にサハスラーラ・チャクラに意識を置いて、いちいちいちいちいちと5回数えながら鼻から息を吐き始めます。次はアージュニャー・チャクラで5回、更にチャクラを下に降りながら5回ずつを続け、ムーラダーラ・チャクラに到着しますと5回X7つのチャクラですから35回のカウントで息を吐きました。これで呼吸を1回ですね。合計70カウントで1回の呼吸をした事になります。
同じようにムーラダーラ・チャクラからにーにーにーにーにーと息を吸い始め、スヴァーディスターナ・チャクラ、マニプーラ・チャクラ、アナハタ・チャクラ、ヴィシュッダ・チャクラ、アージュニャー・チャクラ、サハスラーラ・チャクラと息を吸い続けます。これで35回のカウントで息を吸いましたから次はチャクラを上から下へ35回のカウントで息を吐いて行きます。合計70回のカウントで2度目の呼吸をしました。
同じようにさんさんさんさんさん、よんよんよんよんよん・・・と呼吸を続けて合計6回の呼吸を終わりましたら普通呼吸でリラックス、これを2セットか3セットやると良いでしょう。
さて、チャクラのプラーナヤーマに慣れて来ますと今度はもう少しリアリティーが欲しくなります。チャクラは抽象的な概念ですから呼吸をしていましてもどうしても呼吸が漠然とした感じになります。そこで今度は女神と言う概念を使って呼吸をよりビジュアルにして見ましょう。女神は誰でも良いのですが、私はドゥルガー女神を想定します。
サハスラーラ・チャクラには女神の頭部を当てます。アージュニャー・チャクラには女神の眉間(みけん)を当てます。ヴィシュッダ・チャクラには女神の首を当てます。アナハタ・チャクラには女神の胸を当てます(もちろん着物はお召しですよ)。マニプーラ・チャクラには女神のお臍(へそ)を当てます。スヴァーディスターナ・チャクラには女神の下腹部を当てます。そして最後にムーラダーラ・チャクラには女神の体の基底部を当てます。
どうですか、呼吸がかなりビジュアルになりましたでしょう。この呼吸法は呼吸をビジュアルにする効果が有りますが、更に自分と女神とを一体化させる効果が有ります。頭には頭を、眉間には眉間を、首には首を、胸には胸を、お臍(へそ)にはお臍(へそ)を、下腹部には下腹部を、基底部には基底部を、と言う具合に自分と女神とが一体化するのです。これはサダーシヴァの状態ですね。サダーシヴァは体の左半分がシヴァ神で右半分が妃のパールヴァティーですが、これの絵を見て「シヴァ神は両性具有だ」と思う人も有るようですがそれは違います。サダーシヴァはシヴァとシャクティの合一を示すものです。
さあ、ここまで長々と呼吸法について述べて来ましたが、本当に大事なのはこれから先です。全ての呼吸法が終わりますと普通呼吸に戻って目を閉じたまましばらくリラックスしますが、ここでは完全に受け身の態度になります。呼吸法では呼吸の数を数える事で他の想念が起こるのを阻止して来ましたが、呼吸のカウントも想念と言えば想念ですね。そこで呼吸法が終わりますと全てを放棄して受け身の態度になりきる。この「受け身の態度になりきる」為に様々な呼吸法をやって来たのでした。
ここまで私のヨガの瞑想について書いてきましたがヨガも様々、瞑想にも色々なやり方が有るのでしょう。人夫々ですから皆さんも個々に合った瞑想法が見つかると良いですね。私の経験がその一助になれば幸いな事です。
瞑想とは何でしょうか。瞑想の字面(じづら)を見ますと「目を閉じて何かを思う」になりますが国語辞典で調べて見ますと「目を閉じて、雑念・妄念を退けて、深く考えること。黙想」と有ります。そうしますとヨガの瞑想は「瞑想」では有りませんね。ヨガの瞑想では雑念にしろ深い考えにしろ、「思う」を止(と)める練習をします。「思う」を止(と)めるですからこれは瞑想とは言えません。ヨガではこれをダーラナ(集中)、ディヤーナ(集中の継続、禅)、サマーディ(解脱)と言い、この3つをまとめてサンヤマ(総制)と呼びます。それでは実際にはどうやって「思うを止(と)める」のでしょうか。
静かに坐って目を閉じますと様々な想念が沸き起こって来ます。そこで心を無にしなければと思って想念を抑圧しますと想念は反発してよりパワフルになりまして、これは失敗。今度は想念が起こるままにして観察していますと想念は自然に消えて次の想念が起こります。そしてこれを続けていますとある時に想念がフッと消える時が有ります。そして想念が消えますとあるビジョンが向こうから現れて来ます。何も思わずビジョンに浸る、この練習をしていますと何年か経ったある朝、解脱体験が訪れます(訪れないかも知れませんがやって見る価値は有ります)。これをサーンキヤ哲学の用語で表現しますとプラクリティからプルシャへの跳躍となります。
しかし、これは難しい。何かもっと簡単な方法は無いものでしょうか。
禅には数息観(すそくかん)と言うのが有りまして、深く静かな呼吸をゆっくりと数えます。つまり、呼吸を数える数字を念じる事によって他の想念が現れるのを防ぐ訳です。私はこの数息観(すそくかん)に、更に7つのチャクラを加えるようにしています。7つのチャクラとは体の下から上へ向かって以下の通りです。
①ムーラダーラ・チャクラ 体の基底部(会陰部。尾てい骨のあたり?)に位置し、筋肉の働きを司る。
②スヴァーディスターナ・チャクラ 生殖器のあたりに位置し、生殖の働きを司る。
③マニプーラ・チャクラ お臍(へそ)のあたりに位置し、食物の消化を司る。
④アナハタ・チャクラ 心臓のあたりに位置し、呼吸と循環を司る。
⑤ヴィシュッダ・チャクラ 喉のあたりに位置し、発声を司る。
⑥アージュニャー・チャクラ 眉間のあたりに位置し、命令を司る。
⑦サハスラーラ・チャクラ 頭頂のあたりに位置し、神との連絡を司る。
それでは深くて静かな呼吸を6回やって見ましょう。静かに坐って目を閉じ、先ずは鼻から息を吸って口から大きく息を吐いてスタートです。
鼻から静かに息を吸いながら意識をムーラダーラ・チャクラに置き、いちいちいちいちいちと5回数える。次に意識をスヴァーディスターナ・チャクラに置いて、いちいちいちいちいち。そしてマニプーラ・チャクラでいちいちいちいちいち、アナハタ・チャクラでいちいちいちいちいち。そしてヴィシュッダ・チャクラでいちいちいちいちいちのあと、更に続けてアージュニャー・チャクラでいちいちいちいちいち、最後にサハスラーラ・チャクラでいちいちいちいちいち、これで息を吸い終わります。5回X7つのチャクラ、合計35回のカウントで息を吸いました。
次にサハスラーラ・チャクラに意識を置いて、いちいちいちいちいちと5回数えながら鼻から息を吐き始めます。次はアージュニャー・チャクラで5回、更にチャクラを下に降りながら5回ずつを続け、ムーラダーラ・チャクラに到着しますと5回X7つのチャクラですから35回のカウントで息を吐きました。これで呼吸を1回ですね。合計70カウントで1回の呼吸をした事になります。
同じようにムーラダーラ・チャクラからにーにーにーにーにーと息を吸い始め、スヴァーディスターナ・チャクラ、マニプーラ・チャクラ、アナハタ・チャクラ、ヴィシュッダ・チャクラ、アージュニャー・チャクラ、サハスラーラ・チャクラと息を吸い続けます。これで35回のカウントで息を吸いましたから次はチャクラを上から下へ35回のカウントで息を吐いて行きます。合計70回のカウントで2度目の呼吸をしました。
同じようにさんさんさんさんさん、よんよんよんよんよん・・・と呼吸を続けて合計6回の呼吸を終わりましたら普通呼吸でリラックス、これを2セットか3セットやると良いでしょう。
さて、チャクラのプラーナヤーマに慣れて来ますと今度はもう少しリアリティーが欲しくなります。チャクラは抽象的な概念ですから呼吸をしていましてもどうしても呼吸が漠然とした感じになります。そこで今度は女神と言う概念を使って呼吸をよりビジュアルにして見ましょう。女神は誰でも良いのですが、私はドゥルガー女神を想定します。
サハスラーラ・チャクラには女神の頭部を当てます。アージュニャー・チャクラには女神の眉間(みけん)を当てます。ヴィシュッダ・チャクラには女神の首を当てます。アナハタ・チャクラには女神の胸を当てます(もちろん着物はお召しですよ)。マニプーラ・チャクラには女神のお臍(へそ)を当てます。スヴァーディスターナ・チャクラには女神の下腹部を当てます。そして最後にムーラダーラ・チャクラには女神の体の基底部を当てます。
どうですか、呼吸がかなりビジュアルになりましたでしょう。この呼吸法は呼吸をビジュアルにする効果が有りますが、更に自分と女神とを一体化させる効果が有ります。頭には頭を、眉間には眉間を、首には首を、胸には胸を、お臍(へそ)にはお臍(へそ)を、下腹部には下腹部を、基底部には基底部を、と言う具合に自分と女神とが一体化するのです。これはサダーシヴァの状態ですね。サダーシヴァは体の左半分がシヴァ神で右半分が妃のパールヴァティーですが、これの絵を見て「シヴァ神は両性具有だ」と思う人も有るようですがそれは違います。サダーシヴァはシヴァとシャクティの合一を示すものです。
さあ、ここまで長々と呼吸法について述べて来ましたが、本当に大事なのはこれから先です。全ての呼吸法が終わりますと普通呼吸に戻って目を閉じたまましばらくリラックスしますが、ここでは完全に受け身の態度になります。呼吸法では呼吸の数を数える事で他の想念が起こるのを阻止して来ましたが、呼吸のカウントも想念と言えば想念ですね。そこで呼吸法が終わりますと全てを放棄して受け身の態度になりきる。この「受け身の態度になりきる」為に様々な呼吸法をやって来たのでした。
ここまで私のヨガの瞑想について書いてきましたがヨガも様々、瞑想にも色々なやり方が有るのでしょう。人夫々ですから皆さんも個々に合った瞑想法が見つかると良いですね。私の経験がその一助になれば幸いな事です。