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ANANDA BHAVAN 人生の芯

ヨガを通じた哲学日記

逆噴射

2012年12月21日 | 日記
逆噴射

 16日は妻と衆議院総選挙の投票に行きました。今年の12月は随分と寒いのですが、この日はポカポカ陽気のコート要らずで絶好の散歩日和でした。

 投票所に入り、郵送された投票案内票をチェックポイントの青年に渡しますと青年は赤鉛筆でチェックを入れ、小選挙区の投票用紙をくれます。投票用紙に記入して振り返りますと小選挙区用の投票箱が有り、投票用紙をそれに投函しますと次のチェックポイントが有ります。そこでも青年がチェックを入れ、比例代表の投票用紙と裁判官信任の投票用紙をくれました。夫々に記入して振り返りますと今度は投票箱が2つ有りました。比例代表用の箱と裁判官信任用の箱です。私が夫々の投票箱を確認していますと、私の隣の爺さんが2枚の投票用紙を重ねて持ち、裁判官信任用の投票箱に一緒に投函してしまいました。そこの当番のおばさんがそれを阻止しようとしたのですが突然の行為に対して声も出ず、一瞬にて爺さんの勝ちでした。「この爺さん、相当もうろくしているね」と私は夫々の投票箱に投函し、投票所を出ようとしますと別のおばさんに阻止されます。おばさんは「次はそちらです」と東京都知事選挙のチェックポイントを示しました。此度の東京都知事選挙には私の高校時代のクラスメイトが立候補していますので、ここは1票でも加勢をしようと決めていましたのに、都知事選挙そのものを忘れてしまうとは私も相当なもうろくぶりで有りました。

 夜の8時になりますとテレビで開票速報番組が始まります。私達は日中に投票を済ませていますので、馬券を買って競馬を見ているように気分が高揚し、馬券を買わないで見ているのとは大違いです。そうしますと、あらあら、自民党の大勝利。「嘘つきは泥棒の始まり」、「憎いは民主党」という気分での逆噴射という結果でした。原発はどうするの?消費税は?道州制は?TPPは?赤字国債新規発行の抑制は?脱官僚主導はどうするの?重要な政治課題を放ったらかしにして感情任せの逆噴射。

 3年前の総選挙では、自民党が政治は官僚に任せて党内の権力闘争ばかりしていたところに民主党が甘い言葉を掛けて国民の心を掴んで大勝利しましたが、民主党は自民党より以上に政治は官僚に投げて党内の権力闘争に明け暮れ、その結果の今回の選挙だったのに・・・。変わったのは政権政党名で変わらないのは官僚政治。重要な政治課題をぶっとばしての逆噴射と呼ばずして何と呼びましょうか。

 近いうちに、一定の目途がついたら、自民党は政治を官僚に任せて党内の権力闘争を始めますよ。これはトラストミーで有ります。

 一方で小沢一郎さんは自分で掘った落とし穴に落ちて座敷牢に入ってしまいましたね。

 ところで政治家とはどんな職業だろうか。政治家は個人商店に似ています。個人商店は仕入れた物品を売り、売った値段から仕入れた値段を引いて儲けを出しますが、政治家は「権利」を売ります。「権利」に仕入れ値は有りませんから丸儲けとなります。TPPを例に取ってみますと、「TPP絶対阻止」は農民の補助金をもらい続ける権利を売る言葉ですし、「TPP推進」は経済団体の貿易自由化の権利を売る言葉です。「TPP絶対阻止」では見返りに次の選挙での票をもらって当選し、年収3千万円プラス多くの特典つきの代議士生活が手に入りますし、「TPP推進」では見返りに政治献金というお金が手に入ります。政治家は日本の将来など考えてはいませんね。

 自民党は民主党より以上に赤字国債新規発行の金額を増やすようですし、何が財政規律なのでしょうか。お先真っ暗の逆噴射で有りました。あとで怒っても駄目ですよ、もう決まっちゃったんですから。



コメント (4)
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寒さ対策

2012年12月14日 | 日記
寒さ対策

 今年91才の私の母は熊本の実家に1人で暮らしていますが、昨年の9月に救急車のお世話になりました。熱中症+αで1ヶ月余りの入院でした。電話で「暑いからクーラーを点けてよ」と言っても「この部屋は涼しいから要らない」とクーラーを点けませんし、「水を飲んでよ」と言っても「夜中にトイレに起きるのが嫌だから」と言って水を飲まなかった事の結果だったのだと思います。

 今年もう1度熱中症をやれば、もう終わりでしょう。私は母の熱中症予防の為、6月に帰省しました。エアコン洗浄とフィルターの掃除をやりました。ベッドの近くの壁にはデジタル表示の温度計を掛けました。薬局ではスポーツ飲料を粉末にしたものと1リットルの水が入る瓶を買い、母にはその粉末を瓶に入れ、更に水を加えてかき混ぜてもらい、「これを毎日1本は飲んでね」とお願いしました。しかし、大変なのはそれからです。帰省を終えて自宅に戻った私は電話の度に「粉を混ぜた水は飲んでる?えっ、作ってない。すぐに作ってよ」と母にお願いしまして、スポーツ飲料を作ってそれを飲んでもらう習慣が出来るまでに1ヶ月は掛かりました。慣れてしまえばスポーツ飲料は美味しいものです。

 梅雨が明けて暑さが本格的になりますと、今度はスポーツ飲料のチェックに加えて室温のチェックを始めました。「体感温度はあてにならないから温度計で確認しようね。壁の温度計は何度ね」、「ちょっと待ってねー、今ねえ、30度」、「クーラー点けて頂戴、今だよ、待ってるから今やって」、「はい、点けました」、「リモコンの設定温度は何度になっとるね」、「ちょっと待ってねー、えーと、28度」、「それで良かよ」・・・。これも習慣になるのに1ヶ月掛かりました。

 こうして母は今年の夏を乗り切ったのですが、私には気になる事がひとつ有りました。6月に熊本で、母が「お金を下ろしに銀行へ行くのが嫌だ」と言い始めたのです。おそらくは銀行の窓口で「通帳が違います」とか「印鑑が違います」と言われるのが怖くなったのでしょう。支援センターのケア・マネージャーさんも「通帳をお子さんが預かられて、必要な時に必要な金額を郵送されているお家は多いですよ」と言っていました。いよいよ、うちもそう言う時期になったんだろうなあ。

 母には3人の子が居て、3人とも東京近郊に住んでいます。私の2つ上の姉と私、そして私とは双子の弟です。

 帰省から戻りますと私は姉と弟にメールを送りました、「お母さんの通帳を子供達の誰かが預かって、必要な時に必要な金額を郵送する事にしませんか。ついては、面倒な仕事では有るけれども、それを自分がやっても良いですよ」。事はすんなりと運ぶだろうと思っていたのですが、揉めました。会社の中や友達との間では揉め事の起こりようのない話なのですが、肉親だと違うのですね。随分と揉めたあと、姉がこの面倒な仕事を引受けてくれ、姉は10月に帰省して銀行の諸事万端をやってくれました。母も、「もっと早く頼めば良かった」と喜んでくれまして、お金についてはこれで一安心です。

 先月、今年2度目の帰省をしてきました。来たるべき冬の寒さ対策の為です。母は夏にはあまり暑さを感じない(これが危ない)のですが、冬になりますと「寒い、寒い」とやたらに寒がります。何か方法は無いものだろうか。

 私は熊本のデパートの婦人服売り場で袖なしガウンを探しました。なかなか見つかりませんでしたが、パジャマ売り場に有りました。携帯で実家の母に電話をして母のサイズを「M」だと確認してそれを買いました。私はついでに薬局に寄ってホッカイロを3袋程買って帰宅しました。袖なしガウンは袖が無いので鍋に引っ掛ける事も有りませんし、ガスコンロの火が燃え付く心配も有りません。「着易いし脱ぎ易いし、とっても温かい」と母は大変喜んでくれました。「何でこう言う物を知っとったね」と母が聞きますので私は「うちでお葬式を出してから再婚するまで、12年余りずっと自分で使いよったよ」と答えました。

 意外な事に、母はホッカイロを知りませんでした。使い方を教えてあげますと母は早速2、3枚貼ってみて、「これは良かねえ」とすっかり気に入ってくれました。私は「1月や2月の寒い時に使ってね」と言ったのですが、母はすぐにも使い始めたようです。

 夏の熱中症対策に比べますと冬の寒さ対策はわりに簡単でした。

 今回の帰省に際して私にはひとつ気に掛かる事が有りました。私達姉弟の3人夫々の、母の現状についての認識が随分と違うのです。そして3人が夫々の主張を続けていても何も解決しません。そこで私は今回、ポイントとなる人達から今の母についての所見を聞く事にしました。民生委員さん、母の掛かりつけの病院の先生、そして支援センターのケア・マネージャーさんからお話を聞き、それをまとめて姉と弟にメールで送りました。これで少しでも3人の認識が近づけば良いのですが。まあ、「一歩一歩着実に」ですかね。

 母の、夏の暑さ対策や冬の寒さ対策をあと何回やれるのかは神のみぞ知るでは有りますが、後悔の残らないようにしたいと思います。

コメント (2)
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