車の運命は
昨年の12月、車を運転していますと突然バッテリーの警告灯が点きました。近所のガソリンスタンドで見てもらいますと、車の発電装置が働いておらず、バッテリーへ電気が供給されていない、従ってバッテリーの残量だけで車は走っているのだと言います。車はどこまで走れるのだろうか。これは恐怖です。妻と私はそのまままっすぐに車のディーラーへ向かう事にしました。車がいつ止まるかハラハラしながら走って居ますと、バッテリーの警告灯は途中で消えてしまいました。
ディーラーで車を見てもらいますと、メカニックのおじさんはバッテリーの警告灯が点いている状態でないと正確なチェックは出来ないと言います。どうして警告灯が点いて、そしてまた消えたのかと聞いて見ますと、寒さのせいかも知れないと言います。走っていて車が温まったら警告灯が消えたのかも知れない。メカニックのおじさんは、しばらく様子を見て、また警告灯が点いたらそのままいつでも来て下さいと言い、念のために修理する際の見積もりを作って見ますねと続け、しばらくして見積書を持って来ました。発電装置とベルトの交換で8万6000円くらい掛かるようです。
それからバッテリーの警告灯が点く事は無く、車検も無事に通過し、私達夫婦はあの事件をすっかり忘れていました。
7月10日、梅雨も明けた猛暑の中、私は車で近くのスーパーへ祭壇に飾るお花を買いに行きました。普段なら散歩がてらに歩いて行くのですが、この暑さは堪りません。スーパーから家へ戻っていますと、もうすぐ家と言う所で聞きなれない警告音が聞こえ、私は車を止めてみました。あのバッテリーの警告灯が点いています。家へ戻った私は妻に「あのバッテリー警告灯が点いたよ」と言いました。警告灯はまた消えるんだろうな。7月11日、12日と妻は車を使いました。私が「警告灯は点いた?」と聞きますと、「最初は点かないけど、じきに点いた」と言います。そして運命の7月13日。スーパーへ車で買い物に行った妻から私の携帯に電話が入りました。「色々な警告ランプが点いて、家まで走るかどうか分からない」と言います。
私は、いくらなんでも家までは走るだろう、ディーラーに修理予約の電話を入れ、それから自動車保険の保険会社に電話をしてレッカー移動について問い合わせをしておこうと、ディーラーに貰っておいた見積書と自動車保険の保険証書を手許に揃える事にしました。すると妻が帰って来ました。ついに車が止まってしまったと言います。一緒に家を出て見ますと、家の前の公道に、車は少し残念な止まり方をしていますが、他の車の通行には問題が無いようです。しかしまあ、よくぞここまで戻って来たものです。車はどんどんスピードを落とし、なんとかかんとか辿り着いてここでアウトになったと言います。不幸中の幸いと言いましょうか奇跡的と言いましょうか、私ならとうの昔に諦めて停車していた事でしょう。
用意しておいた保険証書を見てレッカー移動のお願いをしました。証書番号、こちらの住所、搬入先のディーラーの住所店名、私の携帯番号を告げて電話を切りますと、折り返し保険会社から電話が有り、40分程でレッカーが向かいますと言います。私はディーラーに電話を入れ、車の症状を話して午後4時前後にはレッカー車がそちらへ行きますと告げました。妻は、「最近はレッカー車じゃなくて積車の筈よ」と言います。自動車保険にはレッカー移動無料の特典が付いている筈です。
レッカー車が来ました。妻の言う積車です。レッカーの青年は手際よく積車の荷台を地面に着地させ、ワイヤーを車に掛け、車のミッションをニュートラルにして車の外からハンドルを取り、器用に車を荷台へ引き上げました。まあまあ手際の良い事。青年は積車の際のチェック用紙にサインをもらい、ディーラーへ向かおうとします。「私はどうしたら良いのでしょうか」と私が間抜けな質問をしますと青年はしばらく躊躇したあと、「レッカーはタクシーじゃないんで本当は駄目なんですが、今回だけは良いですよ、助手席に乗って下さい」と言います。私がトラックの助手席に乗るのは会社の営業でビールの引き売り(前もってビールをトラックに積んでおいて酒屋さんを回り、無理にお願いして買ってもらう事)以来の事です。そして、そもそも車のレッカー移動等、私の人生で初めての事でした。
ディーラーに着くと青年は器用に車を下ろし、私に挨拶をして帰って行きました。ディーラーではすぐに車を見てくれましたが、電源がすっかり無くなっているので応急のチェックも出来ない、ついては2、3日後に検査をして電話をします、その上で修理のお話を進めましょうとの事 でした。ディーラーの人がJRの最寄駅へ送ってくれ、私はうちの最寄駅からタクシーで帰宅しました。
車がアウトになる直前にはブザーが鳴り続け、あらゆる警告灯が点きまくったといいます。バッテリーは勿論駄目でしょうが、発電装置の他にも影響が及んでいるのでは無いだろうか。修理代は20万円位かな、それとも30万円?廃車の心構えもしておかないと・・・等々、不安は募ります。
翌々日の朝、ディーラーから電話が有りました。発電装置(オルタネーター)が基準の半分位しか発電していないので交換の必要が有る、またバッテリーがアウトなのでこれも交換、ついては約11万円掛かりますとの事でした。私がお願いしますと、これから部品を取り寄せるので、修理の出来上がりは20日になりますと言います。やれやれ、発電装置の故障は他には影響していなかったようです。20日にはディーラーから修理が終わりましたとの電話が有り、私達夫婦で車の引き取りに行きました。こうして車はやっと我が家に戻りました。
これだけのお金を掛けて修理しましたので車にはあと5、6年は走ってもらいたいものですが、他の部分も劣化が進んでいるかも知れず、我が家の車の運命や如何にであります。
昨年の12月、車を運転していますと突然バッテリーの警告灯が点きました。近所のガソリンスタンドで見てもらいますと、車の発電装置が働いておらず、バッテリーへ電気が供給されていない、従ってバッテリーの残量だけで車は走っているのだと言います。車はどこまで走れるのだろうか。これは恐怖です。妻と私はそのまままっすぐに車のディーラーへ向かう事にしました。車がいつ止まるかハラハラしながら走って居ますと、バッテリーの警告灯は途中で消えてしまいました。
ディーラーで車を見てもらいますと、メカニックのおじさんはバッテリーの警告灯が点いている状態でないと正確なチェックは出来ないと言います。どうして警告灯が点いて、そしてまた消えたのかと聞いて見ますと、寒さのせいかも知れないと言います。走っていて車が温まったら警告灯が消えたのかも知れない。メカニックのおじさんは、しばらく様子を見て、また警告灯が点いたらそのままいつでも来て下さいと言い、念のために修理する際の見積もりを作って見ますねと続け、しばらくして見積書を持って来ました。発電装置とベルトの交換で8万6000円くらい掛かるようです。
それからバッテリーの警告灯が点く事は無く、車検も無事に通過し、私達夫婦はあの事件をすっかり忘れていました。
7月10日、梅雨も明けた猛暑の中、私は車で近くのスーパーへ祭壇に飾るお花を買いに行きました。普段なら散歩がてらに歩いて行くのですが、この暑さは堪りません。スーパーから家へ戻っていますと、もうすぐ家と言う所で聞きなれない警告音が聞こえ、私は車を止めてみました。あのバッテリーの警告灯が点いています。家へ戻った私は妻に「あのバッテリー警告灯が点いたよ」と言いました。警告灯はまた消えるんだろうな。7月11日、12日と妻は車を使いました。私が「警告灯は点いた?」と聞きますと、「最初は点かないけど、じきに点いた」と言います。そして運命の7月13日。スーパーへ車で買い物に行った妻から私の携帯に電話が入りました。「色々な警告ランプが点いて、家まで走るかどうか分からない」と言います。
私は、いくらなんでも家までは走るだろう、ディーラーに修理予約の電話を入れ、それから自動車保険の保険会社に電話をしてレッカー移動について問い合わせをしておこうと、ディーラーに貰っておいた見積書と自動車保険の保険証書を手許に揃える事にしました。すると妻が帰って来ました。ついに車が止まってしまったと言います。一緒に家を出て見ますと、家の前の公道に、車は少し残念な止まり方をしていますが、他の車の通行には問題が無いようです。しかしまあ、よくぞここまで戻って来たものです。車はどんどんスピードを落とし、なんとかかんとか辿り着いてここでアウトになったと言います。不幸中の幸いと言いましょうか奇跡的と言いましょうか、私ならとうの昔に諦めて停車していた事でしょう。
用意しておいた保険証書を見てレッカー移動のお願いをしました。証書番号、こちらの住所、搬入先のディーラーの住所店名、私の携帯番号を告げて電話を切りますと、折り返し保険会社から電話が有り、40分程でレッカーが向かいますと言います。私はディーラーに電話を入れ、車の症状を話して午後4時前後にはレッカー車がそちらへ行きますと告げました。妻は、「最近はレッカー車じゃなくて積車の筈よ」と言います。自動車保険にはレッカー移動無料の特典が付いている筈です。
レッカー車が来ました。妻の言う積車です。レッカーの青年は手際よく積車の荷台を地面に着地させ、ワイヤーを車に掛け、車のミッションをニュートラルにして車の外からハンドルを取り、器用に車を荷台へ引き上げました。まあまあ手際の良い事。青年は積車の際のチェック用紙にサインをもらい、ディーラーへ向かおうとします。「私はどうしたら良いのでしょうか」と私が間抜けな質問をしますと青年はしばらく躊躇したあと、「レッカーはタクシーじゃないんで本当は駄目なんですが、今回だけは良いですよ、助手席に乗って下さい」と言います。私がトラックの助手席に乗るのは会社の営業でビールの引き売り(前もってビールをトラックに積んでおいて酒屋さんを回り、無理にお願いして買ってもらう事)以来の事です。そして、そもそも車のレッカー移動等、私の人生で初めての事でした。
ディーラーに着くと青年は器用に車を下ろし、私に挨拶をして帰って行きました。ディーラーではすぐに車を見てくれましたが、電源がすっかり無くなっているので応急のチェックも出来ない、ついては2、3日後に検査をして電話をします、その上で修理のお話を進めましょうとの事 でした。ディーラーの人がJRの最寄駅へ送ってくれ、私はうちの最寄駅からタクシーで帰宅しました。
車がアウトになる直前にはブザーが鳴り続け、あらゆる警告灯が点きまくったといいます。バッテリーは勿論駄目でしょうが、発電装置の他にも影響が及んでいるのでは無いだろうか。修理代は20万円位かな、それとも30万円?廃車の心構えもしておかないと・・・等々、不安は募ります。
翌々日の朝、ディーラーから電話が有りました。発電装置(オルタネーター)が基準の半分位しか発電していないので交換の必要が有る、またバッテリーがアウトなのでこれも交換、ついては約11万円掛かりますとの事でした。私がお願いしますと、これから部品を取り寄せるので、修理の出来上がりは20日になりますと言います。やれやれ、発電装置の故障は他には影響していなかったようです。20日にはディーラーから修理が終わりましたとの電話が有り、私達夫婦で車の引き取りに行きました。こうして車はやっと我が家に戻りました。
これだけのお金を掛けて修理しましたので車にはあと5、6年は走ってもらいたいものですが、他の部分も劣化が進んでいるかも知れず、我が家の車の運命や如何にであります。