ANANDA BHAVAN 人生の芯

ヨガを通じた哲学日記

グリーンに一礼

2021年04月13日 | 日記
グリーンに一礼

 松山英樹選手がアメリカのマスターズで優勝しまして、これは日本人に限らずアジアからでも初めての快挙なのだそうでして喜ばしい事ですね。そしてこの快挙も素晴らしい事なのでしょうが、松山選手のキャディーの行いが話題になっているそうです。優勝を決めた松山選手のパットが終わるとキャディーはピン(旗竿)をカップに戻し、そして帽子を脱いでグリーン(コース?)に一礼をした、その様子が素晴らしいとツイッターの動画が250万回以上も再生されたそうで、松山選手の快挙に合わせてキャディーの行いも奇特で有ると評価されたようです。ところがキャディーは何の感情も持たず、ただ有難うとお礼のお辞儀をしただけだと言ったそうですね。私達には普通の行いでもアメリカのスポーツ界では奇特な行いだとされたのはどう言う訳でしょうか。

 キリスト教もイスラム教も豊かな緑とは程遠いアラブで生まれた宗教ですので環境世界には余り関心を示さず、思考は神と人間の対立に集中されてしまうようです。一方で緑豊かなインドで生まれたヒンドゥー教や仏教では神と人間との間に自然(環境世界)を置いて考えますね。サーンキヤ哲学では心と身体と環境世界は同根でひとくくりですし、ヴェーダーンタ思想では梵我一如と言いまして自然(環境世界)の本質はブラフマン(梵)、そしてそのブラフマン(梵)は個人にも内在するとしてそれをアートマン(真我)と呼びます。また仏教では縁起説法と言うのが原始仏典には有りまして、縁によって起こると言う、物理学のような考えをします。

 しかし、ここでこのキャディーに仏教への深い理解が有ったとも思いませんが、日々の生活の中で仏教的な態度は自然と身に付いていたんでしょうね。インド人でもその多くはヒンドゥー教や仏教を深くは理解していないのでしょうが日々の生活の中に宗教的な態度は滲み出ていますよね。この、なんとなく身に付いて滲み出ると言うのが良いのだと思います。総理大臣や官房長官は日本国旗に一礼をしますしお相撲さんは土俵に一礼、また柔道家は畳に一礼します。

 今回の松山英樹選手のマスターズでの優勝、そしてキャディーのグリーン(コース?)への一礼は、改めて自然(環境世界)を畏敬する態度の大切さを世界に示したように思いますね。

 ところでお話は違いますけれども、キリスト教やイスラム教は一神教で日本の土俗信仰は多神教だ等と言いますが、これは違います。神と言う概念は時間や空間を超越していますから、そもそも神と言う概念に数は無いのです。そして一神教でも多神教でも、人格神でも非人格神でも、また有神論でも無神論でもいっこうに構いません。大事なのは自然の摂理に対する礼拝の気持ちだと思います。



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コロナ下の交友

2021年04月01日 | 日記
コロナ下の交友

 コロナ禍と言う言葉はなんだか嫌ですね、今はコロナ下と言う表現で良いと思います。コロナの為に飲み会が無くなって早1年、現地でのお付き合いは出来ませんが、友人達とはなんとかSNSで繋がってはいます。

 友人KMから電話が有って、去年までは会計士に頼んでいたが今年から自分で確定申告をやりたいのでやり方を教えてくれと言います。僕も確定申告をやるところなので、それでは一緒にやろう、明日の午後2時半からLINEのビデオ電話で始めようと提案しました。LINEのビデオ電話は便利ですね、画面を彼と私で半々にしますと書類を画面に映しながら会話ができます。ところが。

 インターネットで「確定申告 国税庁ホームページ」と検索しますと色々と出て来ますが、やり方の説明とかこれが出来ますとかで肝心の申請フォーマットが出て来ません。毎年フォーマットへの入り口が変わるようで大変。散々探した結果「個人の申請」と言うのをクリックしますと、やっとフォーマットが出て来ました。友人KMもここでフォーマットを開いてこれまでに30分、これからなのに先が思いやられます。

 着々と記入を進めまして「ここからは源泉徴収票、1年間の所得と支払った所得税額が有るだろ、そして右下の支払った社会保険料は介護保険料の事だよ。

 友人KM、書類を画面に映しながら「これが源泉徴収票?」、いやいやそれは厚生年金と国民年金を今年はこれだけ払いますよと言う通知書だよ(源泉徴収票を映して見せながら)一番上に源泉徴収票と書いて有るやつだよ。「無いなあ」。探してよ、絶対に有る筈だから。ここまでで既に午後4時。

 それから1時間経って「やっと見つかった」と画面に映してくれます。良かったね、でも今日はここまでにしよう、続きは明日だね。次に必要な健康保険税支払い証明書も探しておいてね、とLINEのビデオ電話を終了しました。ああ疲れた。そして、何と。翌日KMから電話が有り、今年の確定申告は会計士に頼んだので、また来年にはよろしくとの事。確定申告を自分で出来ない人が居るのね、現代のシーラカンス。

 昨年の11月の早朝、友人SIからLINEが入っていました。「大相撲、気になる女性、昨日も居た。画面左、最前列の女性、姿勢良く、お人形みたい、バッグも高そう」。私は相撲を観ないのでそれから5時半にはテレビを点けてチェックするようにしました。そうしますとテレビの向こう正面の左側、テレビのフレームに入らない通路沿いに謎の女性を発見。そこで薄紫のスレンダー美人を確認、しかしマスクが大きいので本当に美人なのかは確認出来ず、と返信。

 インターネットで調べて見ますとそれらしい記事を発見、世界でもこの女性が話題になっているようです。私はこの記事のURLを友人SIにメールで送りました。すると翌日友人SIからLINEが。「遠目、マスク、仕草、ファッションに誤魔化されていたようだが。目が整形?かなり齢か?あとで写真送ります」。そして送られて来た写真、テレビをスマホで撮ったようですが、拡大して見るとあらショック。マスクの上の目はくぼんで見えるし髪もカツラっぽい。しかし姿勢が良すぎます。

 そして3月場所、友人SIからまたもLINE、「大相撲、例の女性が居ない・・・でもTVのど真ん中に昇格している」。初場所までは向かって左側の通路沿いの席だったのに、正面の行司の右側に席が変わっています。これではテレビにまる映り、なんだか有難味が無くなったような気もします。そして数日後。

 私は夜の寝る前にYouTube をテレビで観るのですが、「溜席の妖精」と言うのがUPされていました。大相撲初場所の初日から千秋楽までの15日間の彼女の姿が続くのですが、なんと衣装が毎日違うのです。貸衣装では有るまいね。早速このYouTube の動画を友人SIにLINEで送りましたら大変喜んでくれ、彼の会社の友達?10人ばかりに転送してそれなりの反響が有ったそうです。

 馬鹿みたいですが、このようにして私は友人SIと暇つぶしを分かち合っております。

 コロナより以前には私が30才を過ぎた頃に居た部署のメンバーと定期的に飲み会をやっていました。メンバーは10人足らずですが男女半々で皆性格も良く、いつも楽しい飲み会でした。しかしこれも途切れて1年余り。私よりひと回り年下の女子社員が時々このメンバー全員にジョークの利いたメールを送ってくれ、会社の現状を教えてくれます。最近のメールでは会社が赤坂見附から田町へ引っ越したと言います。私が入社した時に会社は日本橋の榮太樓ビルの中に有りました。会社が日本橋から赤坂のピカピカのビルに引っ越してからもう50年近く、このビルは取り壊すそうで寂しい事です。赤坂見附で地下鉄を降りて地上に出ても、もう会社は無いのか。

 facebook 友達に私より15才年上の大先輩がおられます。私より15才年上ですから今年で90才、しかしこの大先輩は英語で経済学の本を出版される程の方で、毎日世界の出来事についてコメントを入れられます。facebook では嫌悪の感情を吐き出すようなコメントが多くて嫌なのですが大先輩にはそのような所が無く、世界のニュースを淡々と分析されています。大先輩は数年前に奥様を亡くされて高齢者向けのマンションに住んでおられますのでさぞ淋しいことでしょう、私は出来るだけ大先輩の記事にコメントを入れるようにしています。

 コロナ下の自粛生活で辛い日々が続いていますが、私はこうしてSNSでかろうじて交友を続けています。しかしSNSでは飲み会では出て来ないような話題も出て来ますから、これはこれで楽しみでは有ります。









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