雨が降ってる
夕方過ぎ
暗いまっくらけ
夏だけど雨の所為でまっくらけ
昼間暑くてサンダルで出かけてた、女の子、傘さして家に向かう
「失敗だ傘は持ってきてたのになんでこうなってしまったかしら
水
滴
雫
字の違いは知らないけれど、零れると滴る、ならわからなくもないわね
涙
泪
涕
ああこんな字もあるの
うん、違い全然わからない
あめみず温い」
雨から涙を連想する回路、なんともベタbetter、気持ちbitter、しょげかえるのに哂う、女の子
「気分は大事
泣きたい気分ていうのは、そういう独り遊びだから、趣味的だわ
でもきっと、あたしそれだけなのだわ」
独りごちも趣味、付け加えて思う女の子。
「ひとりは境目がないなあ
ひとりごちして黙っちゃうとなんだか寂しくて
淋しい、の差も分からないな
でも考えても分からないな
思い出すにも本当に知った、覚えがないのだもの
あ、だけど
むりくり勝手に意味を付けちゃえばいいのかしら
したら分けられるわ
人に通じなくてもいいもの
だって今ひとりだもの」
雨が強くなってくる
既に足元はびちょびちょ
水のにおい高まる、生臭い
多少息が詰まりそうな思い
「魚じゃないしな」
「…水族館に行きたいな」
「…林に水、だから、なんかさみしいな。
あ、微妙だ。
林に水ってそうお目にかかる光景でもないから、ああなんだかしんしんとしてるのだわ
きっと
少し寒いのだわ」
「寂しい、は、…
全然分解できたものじゃないわ、ああ学が足りない。
いいわ
でっちあげだもの
…想像力が足りないわ、種がないとなにも始まらないったら」
傘に穴が開いている。
ジャンプがさ
柄から水が滴ってくる
ひざ下のスカートも色が変わってる
「誰かいたら
もすこし急ぐんだけどな
今、ひとりだもの
どうにもだもの」
雨が弱くなってくる
「勝手に来て
勝手に行くのね
もすこし強く降っていてよ
むしろもっと強く降ってよ
賑やかで助かるのに
静かにならないで
曇りは中途半端
晴れなんていや照らされなんかしたくない
紛らわして
紛らわして
紛らわしてよ」
こっちばっかり見ないで。
夕方過ぎ
暗いまっくらけ
夏だけど雨の所為でまっくらけ
昼間暑くてサンダルで出かけてた、女の子、傘さして家に向かう
「失敗だ傘は持ってきてたのになんでこうなってしまったかしら
水
滴
雫
字の違いは知らないけれど、零れると滴る、ならわからなくもないわね
涙
泪
涕
ああこんな字もあるの
うん、違い全然わからない
あめみず温い」
雨から涙を連想する回路、なんともベタbetter、気持ちbitter、しょげかえるのに哂う、女の子
「気分は大事
泣きたい気分ていうのは、そういう独り遊びだから、趣味的だわ
でもきっと、あたしそれだけなのだわ」
独りごちも趣味、付け加えて思う女の子。
「ひとりは境目がないなあ
ひとりごちして黙っちゃうとなんだか寂しくて
淋しい、の差も分からないな
でも考えても分からないな
思い出すにも本当に知った、覚えがないのだもの
あ、だけど
むりくり勝手に意味を付けちゃえばいいのかしら
したら分けられるわ
人に通じなくてもいいもの
だって今ひとりだもの」
雨が強くなってくる
既に足元はびちょびちょ
水のにおい高まる、生臭い
多少息が詰まりそうな思い
「魚じゃないしな」
「…水族館に行きたいな」
「…林に水、だから、なんかさみしいな。
あ、微妙だ。
林に水ってそうお目にかかる光景でもないから、ああなんだかしんしんとしてるのだわ
きっと
少し寒いのだわ」
「寂しい、は、…
全然分解できたものじゃないわ、ああ学が足りない。
いいわ
でっちあげだもの
…想像力が足りないわ、種がないとなにも始まらないったら」
傘に穴が開いている。
ジャンプがさ
柄から水が滴ってくる
ひざ下のスカートも色が変わってる
「誰かいたら
もすこし急ぐんだけどな
今、ひとりだもの
どうにもだもの」
雨が弱くなってくる
「勝手に来て
勝手に行くのね
もすこし強く降っていてよ
むしろもっと強く降ってよ
賑やかで助かるのに
静かにならないで
曇りは中途半端
晴れなんていや照らされなんかしたくない
紛らわして
紛らわして
紛らわしてよ」
こっちばっかり見ないで。