飛行機がカイロに近づくにつれて、気分が高揚してくる。
アフリカ大陸の魔力のせいだろうか。
革命後のエジプトはどう変化しているのだろう。みんな、元気でいるだろうか…。
長いフライトを経て、やっとカイロの地へ降り立つ。
4月の初めだが、爽やかな陽気である。空を見上げれば雲一つ無い青い空。
いつもどおりのエジプトだ。
相変わらずタクシーがぶっ飛ばしてくれる。
途中でドライバーが「ここが ムバラクの家さ!!すっげぇ でっかいだろう!!」
娘の通訳だと、こんな感じで教えてくれているらしい。
軍が、壮大な敷地の門の辺りを警備していて物々しい。
いつもの渋滞を我慢して、やっと娘のマンションへたどり着いた。
大きな重い扉を開けると…。
主を無くしていたこの部屋は、薄っすらと砂漠化していた。
わずか2ヶ月足らずの時の経過で、どこからか封鎖されていたはずの空間に
砂漠の砂は、ヒタヒタと忍び寄り侵食していく。
考古学者の河江さんは、こう表現されている。
「砂埃に覆われる部屋を見ていると、文明とか人間が作ったものを、大地が覆おう覆おうとしているように思える。」
多くの遺跡も砂埃によって覆い隠されてきた…。
さあ!その砂埃達に抗って、掃除!掃除!
今夜眠る場所を確保しなければ。
ちなみに、エジプトは漢字で 「埃及」 と表記される。 納得!