アナザースカイ エジプト

もうひとつの故郷のように感じるエジプト。たびたび訪れるエジプトのフォト旅行記をご覧下さい。

ポンペイの柱

2010年09月16日 | 旅行

アレキサンドリアの空は、排気ガスに曇ることなく、どこまでも青い。





                                          





その空を突き刺すように、一本だけ立ち続けてきたポンペイの柱。

高さ30m以上を思わせる迫力なのは、高台で周りに何もないからだろうか。

見上げていると、その柱をつたってジャックと豆の木のように、天空の国へ行けるかのようだ。





                     





ローマ皇帝の神殿だった頃は、この円柱が400本も立ち並んでいたという。

その壮麗さは、想像を絶するものだったろう。

一人になった柱の両側で二体のスフィンクスが、慰めるようにポンペイの柱を見守っている。





                 





この光景を見ていたら、有名な句が頭に浮かんだ。

「夏草や つわものどもが 夢のあと」 松尾芭蕉

荒地の高台に残った栄華の残骸を見ると、やはりこの世は無常…

この世のことは、一瞬の夢なのかもしれないと思う。





                     





エジプトの強烈な日差しの中、あまりに光が眩しく、空が青く美しいので、この無常観がよけいに胸に迫ってくる。

もし、いつか人類の最期がおとずれるのなら、こんな静かな光景だけが残るのかもしれない。