「メムノン」とはギリシャ神話では、エジプト王として登場する。
3000年ほど前に作られた18メートルの2体の巨像である。
彼らは昔は朝日が昇る頃、歌ったとか…
といってもメムノンに入った亀裂が、温度差や風によって音を生じさせていたようだが。
いにしえの人々には、不思議な謎の巨像だったのだろう。
(現在85歳の母は80歳過ぎてから3度エジプトを訪れた。このときは83歳)
修復されて、もはや歌わなくなったメムノンは、まるで倒しても倒しても復活してくるゲームのボスキャラのような風体で、
今は姿無きアメンポテプ3世葬祭殿を、忠実な家来のように守り続けている。
びょーびょーと風が吹きぬける日には、声なきメムノンの昔語りにでも、耳を傾けたくなる思いがする。