鳩山間の田天体観測所

趣味の天体写真を中心に、遠征の記録や望遠鏡関係の工作などを載せていく予定です。

ラブジョイ彗星のスペクトル

2015-01-11 18:26:15 | 天文現象
ラブジョイ彗星が北上して見やすい位置にあがってきました。
月も東に去り、観測条件がぐんとよくなりました。

10日は土曜日で仕事がお休みでしたので、午前中農作業(梅の木の剪定)をした後
午後から準備をして撮影に行ってきました。

彗星が明るくなってきましたので今回は対物プリズムをつけてのスペクトル撮影にも挑戦です。

夕刻、いつもの観測地に到着し望遠鏡を組み立てます。
極軸をあわせガイドスコープをのぞきますと、一昨日よりも明るくなった彗星がありました。
目の悪い自分でも肉眼で見えます。

薄明終了から月の出まで約2時間半。撮影をしながら同行した仲間と楽しい時間を過ごすことができました。


ラブジョイ彗星のスペクトル
キヤノン EF-S 55-250 (250ミリ) タカハシ対物プリズム
30秒露光×4枚
キヤノン EOS Kiss X5

対物プリズムによる低分散ですから、ぼやっとしたコマが重なり合って串に刺した団子のようなスペクトルになっています。
串の部分が彗星の中心部分で、ダストによる連続スペクトル(太陽光を反射)です。
「団子」のところがコマのスペクトルで、炭素分子(C2)の成分です。
ダスト成分が弱く分子の成分が強い、いわゆるガスリッチな彗星のようです。

ところで、スペクトル写真もS/Nをあげようとコンポジットするのですが、
星もみな線になってしまうため、星を基準に写真を合成することができません。
仕方がないので星のスペクトルに写っている暗線を基準にして1枚ずつ合わせました。
これが結構大変で、普段何気なく使っているソフトのありがたさを痛感しました。

同時に撮影したラブジョイ彗星の姿はこちらです。


1月10日のラブジョイ彗星
キヤノン FD400 F2.8L 自作F3.3絞り LPSP2フィルター
1分露光×8枚
キヤノン EOS 5D MkⅡ
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