街に住む知人が亡くなった。
78歳、孤独死だった。
先日、本を10冊ほど届けようと知人宅を訪れると、ポストが封印され玄関ドアも施錠されていたので、隣家の主人に伺うと、6月下旬ごろ亡くなられたという。
その日、隣家の主人は、夕方になっても知人宅の居間のカーテンが上がらないのを不審に思い、玄関に回ると施錠されており、また、大声で呼びかけるも応答がなく、これはと思い、台所の窓を破って室内に入ると、すでに亡くなっていたという。
知人は、1年ほど前に奥さんを亡くし一人暮らしだったが、体調はすこぶる良く、日頃、健康診断の指摘事項は何もないと自慢するほどだったから、まさか突然死に見舞われるなど考えもしなかった。
ただ、隣家の主人によると、奥さんの一周忌を過ぎた頃から、深酒が目立つようになり、飲んでタクシーで帰宅した際など、運転手に手を貸して、家に運び入れることも度々だったという。
それにしても、「最近は姿をみせないね」などと、数ヶ月も彼を訪ねることもしなかった我が身の不明さに恥じ入るばかりである。