ある日、王妃が魔法の鏡に向かって「世界で一番美しい女性は誰?」と尋ねると、「白雪姫!」という答えが返ってきます。激怒した王妃は、家来に白雪姫を殺すよう命じます。
この魔法の鏡は、自分の美の基準で見たままを正直に答え、頑固で融通が利きませんが、過日から拙宅に仲間入りした静電型のスピーカーも同じような性格の持ち主です。
この衝立のような変なスピーカー。
うわさに違わず繊細な響きを聴かせてくれていますが、原音の忠実な再生にも優れ、ソフトの良し悪しを如実に現してしまいます。
そう言えば、このスピーカーをオークションに出した米国のオーデイオ屋の主人が、次のように記していたのを思い出しました。
The strenghs of the ESL are there realism, extremely clean and open they are one of the best loudspeakers ever built, every audiophile writer owns some form of the ESLs・・・they can be too revealing with poor recordings.
「美しい方は美しく、それなりの方はそれなり」に映さず、録音の欠点を暴きだしてしまう怖さを持ったスピーカーです。