3月9日
今日のニセコは、とても暖かでした。
強い日差しが、春の到来を告げているようでした。
手軽にチン料理が楽しめる電子調理器「クック膳」を考案、普及した
料理研究家の千葉真知子先生に「食べるクラシック」というご本があり
ます。
モーツアルトやシューベルトなど、ヨーロッパのクラシック音楽の巨匠
たちが、人類の世界遺産とも言える美しい音楽を、次々と生み出すこと
ができたのはどうしてか?
そして、彼らはその時代に何を食べていたのかをピアニストでもある令
嬢の暁子さんとともに現地を訪れて資料を集め、また、実際に調理をし
て、そのレシピとともに紹介するユニークな書籍です。
千葉先生は、この本を著す動機を次のように説明しています。
・モーツァルトの書簡には、牛タンが大好きだったとでいます。食べる
ことが好きだった作曲家はモーツァルトだけではありません。偉大な
作曲家の多くは食べることが大好きだったのです。
勿論、才能がなくては偉大な音楽家として後世に名を残すことはなか
ったのでしょうが、残されている文献や記録からは、彼らの食べるこ
とへの情熱がはっきりしてきました。
いつの時代もそうですが、時代にあっていること、人間関係や人に対
しての感謝の気持ちも大事な要素です。そしてなによりも作曲家たち
の創作の源に食べることがあったのは間違いないと確信をするように
なりました。
ショパンが愛した白身魚とたっぷりの野菜を煮込んだやさしい味の
「ショパンポトフ」、ロッシーニーが考案をしたひれ肉にたっぷりの
トリュフ、フォアグラを加えた「ロッシーニートーネード」、りんごが
大好きだったドビッシーはカスタードを中に詰めて焼いたりんごを
好んで食べていたというエピソードもいっぱい詰まった興味深い
1冊です。
先に「ショパンのポトフ」をご紹介しましたが、その後、シューベルト
が食べたであろう「キャベツと豚肉の煮込み」がとても美味しくできた
のでご紹介します。下記の「前口上」にありますが、肉のうまみを
吸い込んだとろけるようなキャベツの美味しさは格別です。
シューベルトも好んだ
《豚肉と丸ごとキャベツの煮込み》
前口上
肉料理には欠かせないキャベツは、胃の粘膜を強くする野菜
のナンバーワンです。
豚肉とともに煮込むと不思議なことに、水を加えなくても肉が
やわらかくなります。肉との相性がとてもいいのです。キャベツ
がとろけるほど肉のうまみを吸収します。
材料
・キャベツ → 大1個
・豚肩ロース肉かたまり → 約600g
・固形ブイヨン → 2個
・塩、胡椒 → 各少々
作り方
1.厚手鍋に4つに切ったキャベツと6等分にした豚肉を入れる。
2.固形ブイヨン、塩、胡椒をふり入れて、ふたをして中火で10分
ほど煮込む。火を弱め、さらに20~30分焦さないように煮る。