田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

プロメテウスの罠

2013年01月04日 | ドラミング

昨日の新聞(朝日)を開いて目を見張った。
何と、一面に「プロメテウスの罠」が載っている。

このシリーズは、原発事故を種々の角度から扱った好評のドキュメンタリーで、定位置は3頁目の左端だ。(写真は、連載書籍の2巻目)

それがトップ記事になり目を引くが、その内容には、心底驚いた。

曰く、米国は、あの原発事故から3日目の3月14日に、軍トップのマレン統合参謀本部議長が駐米大使の藤崎氏を呼んで、「原発事故に対する日本政府の対応は生ぬるい」と強い調子で警告を発していたと言うのだ。

「米軍は、4号機が危ないと考えている。自衛隊など、あらゆる手段を使って冷却すべきだ」と指摘した。つまり、4号機の核燃料プールには、1~3号機に比べて圧倒的に多い1,535体の核燃料が入っている。これがメルトダウンすれば、膨大な放射能が飛散し、日本全土に影響が及ぶと指摘。

上記から、4号機が爆発した15日には、横須賀の米軍基地から婦女子を退避させた(どこかは明示されいないが)という。

その後、米国政府は日本国内に居住する米国人に対し、80km圏外へ退避するよう勧告したが、F1から300kmも離れた横須賀において、同様の処置が実施されていたというから驚く。

これは、原潜を含む米軍艦船を、最も被爆線量が少なくなるよう風向きを考慮しながら移動させていたという報道からもうなづける。

上記のように、米軍は、日本国内のあらゆる施設について必要な情報を持ち、緊急時の対策がなされていたようだ。この点、国内を大雑把に把握して治世にあたる日本政府より、よほどしっかりしていたと言ってよい。

この「日本への不信」と副題のついたシリーズ、目が離せない。