旅に出ると、日頃見えないものが見えたりします。
特に、海外旅行の場合は、相手国の人々の暮らし向きや国民性だったり、逆に、外から見た日本の不思議な姿だったりします。
今回の中国旅行で最も気になったのは、震災に伴う国内の自粛ムードと原発事故に伴う観光客の激減でした。
つまり、壊滅的な被害への同情や電力事情悪化への懸念等から、今までの暮らしを見直す風潮が強まり、それが生活全般の自粛ムードにつながっています。それ自体、自然の成り行きと思いますが、過度になると、経済の停滞を生み、復興への歩みにも悪影響が出ます。
また、原発事故に伴う安全性への不安から、近隣諸国からの観光客が激減し、新千歳空港では、閑古鳥が「ヒマヒマ」と大声で鳴いていました。
出発当日の10日、小生らが空港へ着いたのは、出発時刻の1時間15分ほど前ですが、航空会社のカウンターにはお客は誰もおらず、また、いつもなら込み合うセキュリテイも行列はできていませんでした。
日本から海外へ向かう邦人観光客は、小生らのツアーの他にひとつかふたつだけで、とてもさびしく、また、外国人観光客の姿は、まったく見受けられませんでした。
周囲の売店などにもお客さんの姿はほとんどありません。これでは、場所代すら回収できないのではと心配になりました。
帰宅後知ったのですが、中国からの観光客に限って言えば、例年に比べ70%も減少しているそうです。先般、道知事が上海と北京へ観光客の呼び戻し行脚に出かけた由。
先の日中韓3ヶ国首脳会議で、風評被害の防止と観光客の増加について合意したようなので、少しづつ事態は改善されると思いますが、外国のお客様に安心して観光していただくためにも、原発事故は、1日も早く収束してもらわないと困ります。