開館40周年記念 出光美術館名品展II(絵画など)
―競い合う個性―等伯・琳派・浮世絵・文人画と日本陶磁―
前期:2006年11月11日~12月3日
出光美術館
出光美術館の名品を総覧するのは今年がはじめて。判りやすい名品ばかりが並びうろうろしてしまうほど。とはいえ出光佐三(1885―1981)氏の個性もところどころ光る。唐津、仙、小杉放菴といった素朴な作品。板谷波山、ジョルジュ・ルオー、田能村竹田も多くを所蔵しているようだ。特に、小杉放菴、田能村竹田については出光美術館の全所蔵品を網羅した厚手の図録が特価で販売されていた。その所蔵品数の多さが知れる。
さて、展覧会。
屏風絵
西王母・東方朔図屏風 狩野光信筆 六曲半双 桃山時代; 金屏風の状態がよく、松の緑青の表現も美しい。画題についていえば、実は「西王母」絵を興味深く見ているが、今回の光信の作品では、西王母と東方朔が見つめ合っているようだという解説。きちんと故事を勉強しないといけませんね。
桜・桃・海棠図屏風 狩野長信筆 八曲一隻 桃山時代
唐人風俗図屏風 狩野尚信筆 六曲一双 江戸時代
松に鴉・柳に白鷺図屏風 長谷川等伯筆 六曲一双 桃山時代;叭々鳥の代わりに日本固有の鴉を題材にした絵とのこと。
重文 祇園祭礼図屏風 筆者不詳 六曲一双 桃山時代
琳派
月に秋草図屏風 伝 俵屋宗達筆 六曲一双 江戸時代
伊勢物語 武蔵野図色紙 俵屋宗達筆 一幅 江戸時代
伊勢物語 若草図色紙 俵屋宗達筆 一幅 江戸時代
伊勢物語は、益田家旧蔵品の36枚組みの二つ。
重美 禊図屏風 伝 尾形光琳筆 二曲一隻 江戸時代;この恋多き男の「禊」という感覚が興味深いです。怨念でも恐れたのでしょうか?
十二ヵ月花鳥図貼付屏風 酒井抱一筆 六曲一双 江戸時代; 何組かあるようですが、優品ですね。十二ヶ月揃って展示されるといいですね。
蔬菜群虫図 鈴木其一筆 一幅 江戸時代;
重文 西行物語絵巻 第一巻 画/俵屋宗達筆 詞書/烏丸光広筆 一巻 寛永7年(1630):西行物語絵巻のこの写本は、出光美術館所蔵4巻本(毛利家旧蔵、ただし巻三は散逸)と渡辺家旧蔵6巻の二組の摸本があるそうで。
一行書 「賓中主々中賓」 江月宗玩筆 一幅 江戸時代前期
月に萩・蔦下絵古今集和歌巻 書/伝 本阿弥光悦筆 下絵/伝 俵屋宗達筆 一巻 江戸時代
尾形乾山筆 一巻 元禄5年(1692)
「枯朶に」発句短冊 松尾芭蕉筆 一幅 延宝8年(1680)句作
「ふる池や」発句短冊 松尾芭蕉筆 一幅 貞享3年(1686)句作; これって本当に発句したときの短冊なのでしょうか?あとからサインしてコピーしたものなのでしょうか?どうも理解できていません。オリジナルだとすると、貴重なものなのですが。。。
仙
箱崎浜画賛 一幅 江戸時代後期
秋の夜ハ唐まて月の外に又
坐禅蛙画賛 一幅 江戸時代後期
坐禅して人か佛になるならハ
龍虎画賛 双幅 江戸時代後期
是何曰龍、人大笑吾亦大咲、猫乎虎乎、将和唐内乎
文人画
池大雅、与謝蕪村、田能村竹田と谷文晁と精緻な筆致の文人がずらっと並ぶ。渡辺崋山は蟄居中の画ということで、自然を見る目に身の上が重なっているような静寂さ。
山居観花図・高士観泉図・南極寿星図・江上笛声図・雪天夜明図 池大雅筆 五幅対 宝暦11年(1761)
重文 山水図屏風 与謝蕪村筆 六曲一双 宝暦13年(1763)
重美 田能村竹田筆 一幅 天保5年(1834)頃
重美 芦石鴛鴦図 立原杏所筆 一幅 文化11年(1814)
重文 青山園荘図稿 谷文晁筆 一冊 寛政9年(1797)
鸕鶿捉魚図 渡辺崋山筆 一幅 天保11年(1840)頃
布曳飛瀑図 山本梅逸筆 一幅 弘化2年(1845)
高士弾琴図 富岡鉄斎筆 一幅 大正12年(1923)
肉筆浮世絵
江戸風俗図巻 菱川師宣筆 二巻 江戸時代
重美 野々宮図 岩佐又兵衛筆 一幅 江戸時代; 淡彩で優美に描かれた野々宮図。劇画のようですね。
遊女歌舞伎図 筆者不詳 一幅 江戸時代
立姿美人図 懐月堂安度筆 一幅 江戸時代
重文 更衣美人図 喜多川歌麿筆 一幅 江戸時代;造形美を描いたというところでしょうか?
月下歩行美人図 葛飾北斎筆 一幅 江戸時代
雪月花図 冷泉為恭筆 双幅 江戸時代;王朝美を再現した冷泉為恭という表現がよく当てはまります。
小杉放菴
天のうずめの命 小杉放菴 昭和26年(1951)
ルオー
[受難] 1 受難 ジョルジュ・ルオー 1935年
[受難] 2 聖顔 ジョルジュ・ルオー 1935年
[受難] 13 「私はあなたの影に寄り添って走ります」 ジョルジュ・ルオー 1935年
[受難] 22 「燃ゆる灯火の芯のごとく…」 ジョルジュ・ルオー 1935年
―競い合う個性―等伯・琳派・浮世絵・文人画と日本陶磁―
前期:2006年11月11日~12月3日
出光美術館
出光美術館の名品を総覧するのは今年がはじめて。判りやすい名品ばかりが並びうろうろしてしまうほど。とはいえ出光佐三(1885―1981)氏の個性もところどころ光る。唐津、仙、小杉放菴といった素朴な作品。板谷波山、ジョルジュ・ルオー、田能村竹田も多くを所蔵しているようだ。特に、小杉放菴、田能村竹田については出光美術館の全所蔵品を網羅した厚手の図録が特価で販売されていた。その所蔵品数の多さが知れる。
さて、展覧会。
屏風絵
琳派
伊勢物語は、益田家旧蔵品の36枚組みの二つ。
仙
秋の夜ハ唐まて月の外に又
坐禅して人か佛になるならハ
是何曰龍、人大笑吾亦大咲、猫乎虎乎、将和唐内乎
文人画
池大雅、与謝蕪村、田能村竹田と谷文晁と精緻な筆致の文人がずらっと並ぶ。渡辺崋山は蟄居中の画ということで、自然を見る目に身の上が重なっているような静寂さ。
肉筆浮世絵
小杉放菴
ルオー