徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

美術館ボランティアが選ぶ千葉市美術館コレクション展

2006-11-11 | 美術
美術館ボランティアが選ぶ
千葉市美術館コレクション展
(江戸から現代まで)
2006年10月17日から12月3日
千葉市美術館

浦上玉堂展に併設されて、表記が開催されていました。
千葉市美術館の7000点の所蔵品のなかから、美術館ボランティアの投票により選んだ57点が展示されています。ボランティアの方が企画、運営に関わった展覧会とのこと。千葉市美術館の優品ばかり拝見できて(私にとっては初めて作品が多いので)、なんと入場料が200円にも関わらず、(実際は、浦上玉堂展の入場券で無料で入場できるのですが)図版入りのパンフレットまでもらえますので、ちょっとお得な気分です。

まず、第一室に、現代美術がずらっと並びます。21点もが現代美術です。学芸課長の浅野氏が現代美術が3分の1にも及んだことについて「日頃ギャラリートークで無理やり鍛えられた成果かな、と妙に納得した。」と感想を述べているが、ボランティアの方が選んだ現代美術だけあって、現代美術が不得意な私にとっても、とっつき易い作品が多く並んでいる。普段幸せな生活をすごしているボランティアの日常の延長線上の世界が広がっており、パステルカラーの装飾的な作品が多い。と感じる。
  • 山口勝弘 ヴィトリーヌ:風景1958l, 1958, ガラス、樹脂、蛍光灯
  • 李禹煥 With Winds, 1991, 油彩、岩彩、カンヴァス
  • 高松次郎 赤ん坊の影 No.387, 1974, アクリル、カンヴァス
    など

    17点が版画
  • 長谷川潔の 水浴の少女と魚、1925、ドライポイント
  • 喜多川歌麿 潮干のつと(版本)、1789
  • 川瀬巴水 日本風景選集 鹿児島桜島、1922
  • 伊藤深水 対鏡、1916
    など。他は、摺り色がよくない作品とかもあり一寸残念。棟方志功も堂々たるものですが、摺り色が一寸甘く感じるのは、NHK日曜日美術館30周年展で見てしまったからですが。

    近世、近代絵画は23点。
    肉筆浮世絵の優品が並びます。
  • 喜多川歌麿 納涼美人図、1794-95ごろ;千葉市美術館を代表するこの肉筆浮世絵を拝見できて大満足。ボランティアの投票でも一位。団扇をもって座る美人画も、実際に目にしてみれば、薄地の着物に透ける襦袢の描き方に目を奪われてしまいます。
  • 勝川春勝 花下の遊女図 1787-88ごろ
  • 窪駿満 砧打ち図 天明1781-89ごろ
  • 鳥文斎栄之 朝顔美人図 1795
  • 葛飾北斎 井出の玉川 1789-1801ごろ
  • 伝 鈴木春信 縁先美人図 明和1764-72ごろ
  • 無款 美人立姿図

  • 菱川師宣 天人採蓮図 元禄年間1688-1704
  • 菱川師宣 隅田川・上野風俗図屏風 延宝1673-81

  • 森狙仙 月下猿図 1798;猿いいですね。
  • 中村芳中 白梅図 文化1804-18;たらしこみの盆栽のような梅。

  • 円山応挙 秋月雪峡図 1786;国宝 雪松図屏風と並べてみないほうがいいとは思います。

    そして
  • 鏑木清方 薫風 1918年ごろ;色使いは土田麦僊ですが、清方が描くと美人ですね。赤い着物と棚引くショール(?)が薫風を表現しています。

    ボランティアの方の説明も、BLOGを読むようで面白いです。ちょっとは解説もほしいですが。
    (11日)
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