徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

伝来の茶道具展 相国寺承天閣美術館

2006-08-19 | 茶道具
開基足利義満公600年御忌記念 改築事業完成オープン
伝来の茶道具展
2006年7月15日から2007年4月15日まで
相国寺承天閣美術館

開基足利義満公の600年御忌の記念事業として増改築に入り、昨年より一年休館していた承天閣美術館が、新館展示室や新収蔵庫の建設に加え、従来の展示室の内装も一新。今回は既存展示室を先行オープン。

相国寺に伝来してきた茶道具をはじめとする名品の数々に加え、重要文化財や、旧萬野美術館から寄贈された作品など、当館初公開となる作品も含めて多数展示、新たな門出を記念する展覧会。江戸前期、金森宗和によって作られ、明治期に復元された鹿苑寺(金閣寺)内の茶室「夕佳亭」を、このたび展示室内にも再現。


とはいうものの、初めて本美術館を訪れます。お香のいいにおいがします。重文とか重美とかは少ないのですが、一品一品が東京とは違い、室町文化、桃山文化の伝統真髄を感じさせる京都の五山ならでは展示でした。なお紙で頂いた目録を以下記録しましたが、一部追加はありましたし、展示順と異なっていたので、本当に展示されていたかは自信はありませんのであしからず。

まずは、茶道具
  • 竹茶杓 千利休作共筒 画像と説明正月に五島美術館でも千利休作の茶杓を拝見してはいる。茶杓まで鑑賞しだすと始まらないのだが。
  • 竹茶杓 蒲生氏郷作 山田宗へん(行人偏に扁)書 桃山;

  • 天青釉双耳香炉 汝窯 宋;形押しの虎の顔がついている。
    青磁の茶碗が2点見入ってしまいました。(この2点はリストに掲載されていなかった)
  • 砧青磁篠木茶碗 宋;二十本の蓮木文が刻まれる。雨過天晴を呈し口金の金の覆輪と相俟って碧天の美しさ
  • 砧青磁平茶碗 銘雨龍 宋 自片桐石州 贈鳳林承章(相国寺第95世);釉中に釉だまりがあり、口辺から高台にかけて一本の貫入が橋って金つくろがある。
  • 天龍寺青磁管耳花入 元;相国寺で天龍寺青磁を見ると納得してしまいます。 

  • 錐呉器茶碗 銘さらし 李朝
  • 青井戸茶碗 銘嶺松 李朝
  • 高麗茶碗 銘柿の蔕 藤村庸軒所持 李朝
  • 御本茶碗 銘春錦 李朝;

  • 唐津奥高麗茶碗 銘関戸の宿 桃山;
  • 絵唐津茶碗 銘丸米 桃山;
  • 黒樂茶碗 長次郎造 宗旦・直斎箱書き 桃山;
  • 絵志野茶碗 銘桂川 桃山;
  • 古瀬戸褐釉割高台茶碗 桃山;

  • 古染付葡萄棚水指 明;
  • 伊賀耳付末広形水指 桃山;

  • 明初染付山水人物大壺 明;
  • 百合口花入 定窯 宋;

  • 蓮弁文碗 鎌倉時代;画像と説明;リストにはないが多分展示されていた。(鎌倉時代の茶碗が1点でていた記憶があり凄いとおもった覚えが。)

    香合はすばらしかった。HPでかなりの香合が解説してにも関わらず、今回のものと同一のものは1つもありません。それだけ香合は多くのものを所蔵しているようだ。
  • 青磁犬鷹香合 明;型物香合番付 東二段目四位
  • 交趾蟹香合 明;
  • 阿蘭陀染付有馬筆香合 18世紀;
  • 堆黒雁香合 明;
  • 堆朱倶利龍字香合 明;
  • 堆黒牡丹香合 明;
  • 祥瑞蜜柑香合 明;
  • 青貝琉球漆龍香合 江戸;
  • 夕顔蒔絵粉溜錫縁香合 室町;

    このほか(?)に天目茶碗(?)を含めた台子の茶道具一式が飾られていた。


  • 蘭渓道隆墨跡「宋元」 鎌倉時代;すばらしい。印象的。宋元への想いが伝わってくる。
  • 一休宗純墨跡 大燈佛法 室町;
  • 春屋宋園墨跡 體中玄 江戸;
  • 舞布袋図 沢庵宗彭 松花堂相乗筆 江戸;
    など

    書状など
  • 千利休消息 桑山式部大輔宛 桃山
  • 千道安消息 桃山;
  • 千少庵消息 九月十九日付 桃山;
  • 柳に燕図 千宗旦画賛 江戸; 

    絵画
  • 重美 春屋妙葩頂相 自賛 南北朝;画像と説明
  • 重美 夢窓疎石頂相 我無影像 南北朝;あまりに状態がよく感激。インターネットの画像とは違い実物はすばらしい。
  • 重文 毘沙門天像 雪舟等揚筆 室町;
  • 観音猿猴図 狩野探幽筆、狩野尚信筆、狩野安信筆 三幅 江戸;
  • 江天暮雪図 牧谿筆 東山御物;柴田勝家、秀吉、家康、紀伊徳川家伝来;
  • 重文 陸信忠筆「十六羅漢図」 元時代
  • 敲氷煮茗図 円山応挙筆 1780年 江戸;「開元天宝遺事」にみえる故事にちなむ。
  • 朝顔に狗子図 円山応端筆 江戸;
  • 雲龍図 能阿弥筆 室町;銀閣寺伝来 明治初期に海外に流出したが里帰り。

    「夕佳亭」再現
    金閣寺に所在の茶室。95世鳳林承章が金森宗和に作らせたと伝えられる。上段の間、鳳棲楼は1661年9月28日後水尾院行幸にあたって増築。茶会記は、金森宗和でまとめられていた。

    床  金森宗和消息
    香合 夕佳亭古材 擬宝珠
    花入 竹尺八 金森宗和作
    釜  「古芦屋松竹梅地紋釜」 金森宗和所持 覚々斎箱書 桃山時代;古芦屋釜というのは、はじめて拝見。
    風炉 唐物写八角形 定林造
    敷板 重文 相国寺法堂古材
    水指 白釉水指 野々村仁清造
    茶入 古瀬戸面取 金森宗和箱
    茶碗 色絵桐波文茶碗 金森宗和箱
    茶杓 金森宗和共筒ノムラ殿 休夢宛
    建水 古銅成化年製
    蓋置 金森宗和作 寄竹

    玉座の間
    煙草盆 鉄刀木
    火入 染付松竹梅紋
    (草冠に良)入 蒟醤
    煙管 吸江斎好
    (12日)
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    相国寺瑞春院

    2006-08-19 | 日記
    相国寺瑞春院

    京都のホテルで今月の催し物を見ていたら相国寺瑞春院が特別公開になっているので訪れてみることにした。(7月22日から9月30日まで)

    相国寺瑞春院は臨済宗相国寺派の塔頭寺院。
    まずは方丈。今尾景年筆「孔雀の襖絵」、上田萬秋筆「雁の襖絵」などを拝見。水上勉の直木賞受賞作「雁の寺」の舞台として有名とのお話。水上勉が瑞春院にて雛僧として修行時の思い出をつづったのが「雁の寺」。彼は、あとで瑞春院を訪れ、実際は「孔雀の襖絵」しか見ていなかったはずなのに、「雁の絵」を見ていたと思い込んでいたと回想しているそうだ。修行僧の身では、「雁の絵」の部屋にははいれなかったはずだと。
    庭園は,夢窓国師の作風を取り入れた室町時代風の池泉回遊式庭園。約1千坪の庭の中央に心字型の池を配し,東側には観音霊場にみたてた33個の赤石の滝組。京都の街中とは思えない静けさ。草木が綺麗に手入れしてあり、夏萩が咲いていた。5月に訪れると、珍しい花が咲くと伺ったが、樹木の名は失念。池のほとりには表千家不審庵写しの茶室「久昌庵」。この茶室への入口のつくばいが水琴窟となっている。

    なお、特別拝観については京都市観光協会のホームページを調べれば掲載されていた。「京の夏の旅」定期観光バスのところ。別に定期観光バスに乗らなくても個人で拝観できる情報が書いてある。
    (12日)
    コメント (2)
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