徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

「茶道入門 ― 描かれた茶の風景 ―」@茶道資料館

2006-08-13 | 茶道具
平成18年企画展 「茶道入門 ― 描かれた茶の風景 ―」
平成18年5月10日から10月1日
茶道資料館(京都 裏千家センター)

第一陳列室

  • 消息 二代少庵宗淳筆
  • 信楽肩衝茶入 近藤其日庵旧蔵(桃山);信楽の茶入は初めて拝見しました。
  • 北野大茶湯図 浮田一(うきたいっけい;けいは草かんむりに恵の旧字)(1795-1859)筆 江戸時代;浮田一は、土佐光孚・田中訥言に学び、大和絵の復興につとめた。同時に謹皇討幕の志士。宇喜多秀家の後裔。豊臣を称したらしく、天正十五(1587)年10月に豊臣秀吉が北野天満宮で開催した北野の大茶会の様子を描いたのでしょう。北野天満宮のなかの彼方此方で野点をしている様子が描かれています。「貴賎を撰ばず、数寄つかまつり候ほどの者まかり出で候」とのことですが、本当に北野の大茶会はこんな様子だったのでしょうか?いずれにせよ、楽しい絵です。
    この図は、もしかすると有名な絵で、北野天満宮所蔵のものかも知れません。(こちらのHPに図版があります。)なお、浮田一の絵で有名なものは、京都国立博物館には米艦浦賀渡来図 と、白鶴美術館には、浮田一「賀茂競馬図」があるようだ。

  • 加茂競馬図絵巻 江戸;上賀茂神社の加茂競馬の様子を描いた絵巻だが、こちらも野点を所々でしている様子が描かれているということで展示されていた。大倉集古館「国宝「随身庭騎絵巻」と男の美術」にて、会期の関係で久隅守景「加茂競馬図」を見逃したこともあり、なるほど、加茂競馬図とはこんな風なのかと判り楽しい。多くの作品があるようなので、今後注意してみてみたい。

  • 邸内遊楽図屏風 江戸:こちらも邸内での遊楽のひとつとして、茶の湯が描かれている。踊る人や、囲碁をする人、腕相撲、そのほかにバックギャモンのようなゲームが描かれていたが、何でしょうか?

    第二陳列室
    待合、懐石、炭手前、席入等、濃茶、薄茶の順に茶道具が展示されています。それぞれ品よく並んでいますが、目に付いたのは、
    懐石に展示されていた「秀衡小吸物椀 江戸」は煌びやかな文様。「爪紅糸目足付縁高 近衛忠房好 八代中村宗哲作(1828-1884)」は、品のよい糸目文様です。薄茶には「赤楽平茶碗 銘さざ波 楽左入作(1685-1739)」が展示されていました。

    最後にお茶をいただきました。

    鼓月のお菓子。辻村史郎氏(最近は細川護熙元首相の陶芸の師として有名)の織部のお茶碗で。軽めのお茶碗です。軸は、裏千家の先代の家元の千鵬雲斎の「滝 直下一千丈」(滝の字の一部を長く「し」のように伸ばし、さらに点が水飛沫と、滝のさまを表す)。青磁(京焼き)の花瓶。涼しげで夏らしい。青磁は夏向きの茶道具なのですね。

    (12日)
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