館蔵 春の優品展 水墨画・古筆と陶芸 @五島美術館
2006年4月1日から5月7日
22日に表記に行ってきました。実は、ゴールデン・ウィークの4月29日から5月7日には、国宝 源氏物語絵巻 鈴虫一・鈴虫二・夕霧・御法の4点が特別展示されます。私の鑑賞したかったのは、源氏物語絵巻と入れ替え前に28日まで展示されている久能寺経。ということで早々に行ってまいりました。
この稿では、古写経と古筆について記します。
まずは、法華経(久能寺経)。法華経(久能寺経)は、1142年に待賢門院が出家の際に鳥羽上皇、美福門院をはじめ、近臣、女房らが逆修供養のために写経したもの。平家納経と並ぶ装飾経として有名。(詳しくは以前に書いたこちらを)今回展示されていたのは、序品と法師功徳品の2巻。どちらも鳥の子料紙に金銀の砂子や切箔を散らして美しい。後者は上下の余白に蓮が青や緑で描かれている。序品の方が巻頭ということもあるのか、能筆家が写経したようだ。何故か見返し絵は展示されていなかったのが残念。ちょっとガッカリ。
第一:序品
第二:方便品(国宝静岡・鉄舟寺蔵)@国宝室
第七:化城喩品(国宝静岡・鉄舟寺蔵)@書の至宝展(前期)
第十四:安楽行品(東京国立博物館蔵)@書の至宝展(後期)
第十九:法師功徳品
第二十七:厳王品(国宝静岡・鉄舟寺蔵)@国宝室
を鑑賞したことになる。
古写経は、
重要美術品 長屋王願経 大般若経 巻第三百四十三 和銅5年(712年)書写
重要美術品 光明皇后願経 五月一日経 大宝積経 巻第百二十 天平12年(740年)書写
重要美術品 光明皇后願経 五月一日経 得無垢女経
重要文化財 破邪論 法琳撰 法隆寺覚印筆 平安時代・12世紀
など。まずは、光明皇后願経が流通していることに吃驚。展示解説を読むと、数千巻も写経があるようで、それもさもあり何というべきか。長屋王願経は、大陸風のきちんとした写経で素晴らしい。
古筆は、今回は主に、万葉集、和漢朗詠集の断簡が展示されていた。
五大万葉集(元暦校本、金沢本、藍紙本、桂宮本、天治本)のうち、下記が展示されていた。
27 有栖川切(元暦校本万葉集)伝藤原公任筆 巻四の断簡643・644 11世紀;金銀泥で草花、蝶、鳥を描いた料紙
28 藍紙本万葉集断簡 藤原伊房筆 11世紀;
33 仁和寺切(天治本万葉集)伝藤原忠家筆 天治元年(1124)1980-1982;薄藍色の料紙、巻10の断簡のみ仁和寺切とよぶ。断簡は巻2,10,14,15が現存。天治本は断簡しかないのでしょうか?
和漢朗詠集は、
26 関戸本和漢朗詠集切 伝藤原行成筆 11世紀
29 伊予切 伝藤原行成筆 11世紀 192-198;伊予西条藩松平家伝来 1924年断簡
30 大田切 伝藤原公任筆 11世紀;掛川藩大田家伝来
32 下絵和漢朗詠集切 伝藤原公任筆 11-12世紀
35 唐紙和漢朗詠集切 伝藤原公任筆 11世紀;伊房と推定
39 戊辰切 伝藤原伊行筆 上279-285;女郎花は定信、萩は伊行と推定。一橋徳川家旧蔵、1928年(戊辰)に断簡。
など。
料紙がすばらしかったのは、
36 重要美術品 東大寺切(三宝絵詞) 伝 源俊頼筆 1120年;亀甲模様の雲母紙。
かなでは。
38 香紙切 伝 小大君筆;明らかに数人の書が小さい空間に閉じ込められている。出光美術館で開催された「平安の仮名、鎌倉の仮名」でも香紙切には目が思わずいってしまいました。今回も数ある断簡で、「升色紙」より 目が留まったのはこの一葉。
2006年4月1日から5月7日
22日に表記に行ってきました。実は、ゴールデン・ウィークの4月29日から5月7日には、国宝 源氏物語絵巻 鈴虫一・鈴虫二・夕霧・御法の4点が特別展示されます。私の鑑賞したかったのは、源氏物語絵巻と入れ替え前に28日まで展示されている久能寺経。ということで早々に行ってまいりました。
この稿では、古写経と古筆について記します。
まずは、法華経(久能寺経)。法華経(久能寺経)は、1142年に待賢門院が出家の際に鳥羽上皇、美福門院をはじめ、近臣、女房らが逆修供養のために写経したもの。平家納経と並ぶ装飾経として有名。(詳しくは以前に書いたこちらを)今回展示されていたのは、序品と法師功徳品の2巻。どちらも鳥の子料紙に金銀の砂子や切箔を散らして美しい。後者は上下の余白に蓮が青や緑で描かれている。序品の方が巻頭ということもあるのか、能筆家が写経したようだ。何故か見返し絵は展示されていなかったのが残念。ちょっとガッカリ。
第一:序品
第二:方便品(国宝静岡・鉄舟寺蔵)@国宝室
第七:化城喩品(国宝静岡・鉄舟寺蔵)@書の至宝展(前期)
第十四:安楽行品(東京国立博物館蔵)@書の至宝展(後期)
第十九:法師功徳品
第二十七:厳王品(国宝静岡・鉄舟寺蔵)@国宝室
を鑑賞したことになる。
古写経は、
など。まずは、光明皇后願経が流通していることに吃驚。展示解説を読むと、数千巻も写経があるようで、それもさもあり何というべきか。長屋王願経は、大陸風のきちんとした写経で素晴らしい。
古筆は、今回は主に、万葉集、和漢朗詠集の断簡が展示されていた。
五大万葉集(元暦校本、金沢本、藍紙本、桂宮本、天治本)のうち、下記が展示されていた。
和漢朗詠集は、
など。
料紙がすばらしかったのは、
かなでは。