岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

今日の写真が語ること… / 日本原燃への公開質問状、ほか(2)

2010-01-20 04:30:32 | Weblog
 (今日の写真も、「米栂(コメツガ)に着いた粗氷」である。これも2009年3月27日に、大鳴沢右岸の烏帽子岳山稜で撮ったものである。
 それにしても、この急斜面に真っ直ぐ屹立しているコメツガ、しかも、粗氷を身にまとったコメツガが見せる「凛とした美しさ」は何なのだろう。
 その美しさの中に見せる強靱さには頭が下がる。しかも、この急峻な斜面で、真っ直ぐ天を覗っているのだ。)

◇◇ 今日の写真が語ること… ◇◇

 鰺ヶ沢スキー場拡張ゲレンデ上端から取り付いたが、3日間降り続いた「新雪」は深く、トップを行く「相棒」さんは苦労していた。たまに、トップを交替する私も同様に難儀をしていた。
 この写真の「斜面・雪面」に注目してほしい。「3日間降り続いた新雪は深く」と今書いた。しかし、この写真には、どこにもその「深い雪」は見られない。
 「白く見える」部分が新雪であるが、その厚さは、せいぜい1、2cmだ。風が収まってきた「ついさっき」にでも積もったものだろう。この場所は風の通り道で、風のとりわけ強いところである。そのために、「雪が積もることが出来ない」のだ。
 そして、そのような場所の積雪は凍結していて氷のように硬くなっている。はたと困った。ワカンだと登ることが出来ない。いや時間をかけると「登攀」は可能だ。結果的には「ピッケル」で足場を刻んで、階段状にして「時間」をかけて登ったのだが、「アイゼン」を持ってこなかったことがとても悔やまれたことに変わりはなかった。
 ただ、「相棒」さんにとっては、すばらしい学習と実地での訓練になった。「ピッケルていいもんだ」ということを何回も口にしたことが証明しているだろう。
 「登山」とは実際に登ることが、何よりの学習になるものなのである。私は、この現場主義のスタンスを変える気持ちはない。
 それにしても、新雪の白さに比べると「旧い」雪は黒くて汚い。この傾向は年を追うごとに「強く」なっている。雪の殆どない里暮らしでは、この「異様さ」は分からないだろう。この黒さの度合いは、大気汚染の度合いと比例している。
 黒という色彩は、その主成分をタールが占める。石炭や石油製品を使用する工場からの排煙、自動車の排気ガス、アスファルト舗装の剥離した塵粉などだ。
 目に見えないものも、含まれている。それは、酸性雨ならぬ、酸性雪である。「CO2」削減のため、地球に優しい原子力発電を、地球に優しい風力発電、地球に優しい太陽光発電と大騒ぎをしているが、この「黒い雪」も「白い雪」も、そのような人間様のことを「あざ笑っている」としか、私には見えない。
 岩木山では、「春スキーシーズン」に「スキーが滑らない」現象まで起きているのだ。「雪面に浮き出た異物質」のため、滑面に塗ったワックスが化学反応を起こして、「ブレーキ」役を果たしているらしい。恐ろしい「変化」が岩木山を覆うているのだ。

◇◇「日本原燃株式会社」への質問と、それに対する「日本原燃株式会社」の行動…(2)◇◇

 本会の会長、阿部を含めた6人が日本原燃広報課に15日(金)午前11時という約束で、公開質問状の回答を口頭でするというので出かけた。
 ところが、「口頭による回答」はなく、「門前払い」であった。なぜか、それは公開したくないことがあるからだ。「秘匿」しなければいけない何事かを持っているからである。 それにしても、約束反故とは、この「契約社会」にあって、決して許されないことだろう。反社会的な行為であり、人間性に欠けることである。
 この行為が「」の体質であるとするならば「日本の原子力行政」そのものも、「反社会的、非社会的」存在であり、人間性に乏しい組織ということになる。
 どのような行為でも、そこに「人間への慈しみや愛しさ」がなければ、それは空虚で冷たいものになってしまうのだ。

 「猛吹雪のなか六ヶ所まで行った結果」…という題のコメントが「核燃・だまっちゃおられん津軽の会」のブログにあったので、その一部を転載する。「日本原燃株式会社」の対応が詳細に述べられている。

◇折悪しくひどい吹雪で、数メートル先が見えない地吹雪に徐行運転を余儀なくされ、3時間半もかかってたどりついたわけです。そうしたら、「回答は用意できていない。あと1ヶ月はかかるだろう。関係部署にふっている。年末に質問状をいただいたが、そんなに簡単に回答できない」という対応でありました。
事務局では、前もって日程調整の電話のやりとりをしている上、前日にも日本原燃から電話をもらい、何人で来るのですかとか、マスコミが来た場合には同席させて欲しいとかやりとりをしているわけです。回答が準備できないということなら、ひとこと、そう言ってくれればいいのに。
◇原燃が推進しようとしている再処理工場の稼動や核燃料サイクルの実施に反対です、という意思表示をしている団体ですので、親切に対応されると思うほうが間違っているのだ、一昨年の対応が異例であったのだ、と思ったりもしたのですが、しかし、原燃には、反対している市民にこそ、事業の内実をしっかり伝え、その疑問を解き、心配を取り除こうという姿勢を持って欲しいと思います。
わたしたちも、直接話すことでわかることもあります。原燃の側も、市民が何を不安に思っているか知ることができるでしょう。直接話すということは重要です。地域に溶け込み、受け入れられ、地域の発展に寄与する事業体でありたいとは、日本原燃自身も言っていることではありませんか。
◇日本原燃も、反対だと言っている市民が、どうしてそうなのかということを、我々にも聞いて欲しかったです。確かに、質問状を出したのは年末押し迫ってからでしたので、わずか2週間で回答を準備できないというのはわかります。わかりますけれど、そういうことなら、前日電話をいただいたとき、いらっしゃっても回答は出せないと伝えてくださってもよかったと思うし、22項目の質問の中には、単純な、組織的なことを聞いているだけという項目もありましたので、間に合う分だけは先に答えます、という形で対応をしたとしても、別段、何も問題なこともなかったのではないかと思ったりしました。要するに、誠意の問題だと思うのです。

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