岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

教育センター「社会科地域教材開発講座」のアシスタント/ 弘前市船沢地区市政懇談会の傍聴

2010-08-14 04:34:35 | Weblog
 (今日の写真は、今から10数年前に写されたものだ。弘前市も出資していた「弘前リゾート株式会社」が開設しようとした「弥生スキー場予定地下部に建設された管理棟および機械棟」である。完全なコンクリート建造物である。
 上部に見える赤い屋根の建築物は「弥生いこいの村」のものである。ひどいことをしたものである。「水源涵養保安林の指定」解除が青森県によって「認められ」ないうちに、このような森林伐採、土壌剥離、それに建造物の構築を「弘前市」はしてしまったのである。
 まさに、行政の「横暴であり、無謀で独りよがりの」行動であった。とどのつまり、「保安林の指定」は解除されず、「スキー場」の敷設は「水泡」となってしまったのである。
 市民を置き去りにした政治的な思惑が、その政治的な思惑によって「消された」のである。
 そして、弘前市は、この「弥生スキー場予定地跡地」を数億円の金を支払って、買い取ることになったのである。この建物は現在はない。だが、基部は砕かれてはいるが残っている。)

◇◇ 青森県総合学校教育センター「社会科地域教材開発講座」にアシスタントとして参加 ◇◇

 実は1週間ほど前に弘前大学人文学部の山下先生から、次のような講座があり、現地調査の時のアシスタント(現地説明補助員)をして欲しいとの依頼があった。それに応えたものである。
 この講座は「身近な地域の諸事象に対する理解と関心を深めさせ、地域のよさを発見する社会科指導の充実のため、地域の文化遺産や主な産業を地域素材として取り上げながら、地域教材の開発及び地域調査の方法等について研修を行い、担当教員の指導力の向上を図る。」という目的で、小学校教員、中学校(社会科担当)教員、高等学校(地理歴史科・公民科担当)教員を対象にしていた。
 …ということで山下祐介先生は、「地域実地調査ー弘前市近郊の調査」として、件の「弥生跡地」と「船沢地区」を選んだのだ。
 講座受講教員は40名だった。8月11日(水)にアシスタントとして、私の他に、「船沢」の歴史などに詳しい船沢地区在住のMさん、Nさん、Tさんも参加した。
 私は、「弥生跡地」が「跡地」となった時から現在までの植生を中心にした「遷移」について説明した。「遷移」して「自然は回復」しているが、それは「いびつなもの」であり、土壌までが剥離された環境での「自然的な遷移」は難しいということを補足説明した。

 受講した小、中、高の先生たちは、「地域素材の教材化の視点と方法」に基づいて、「実地調査をもとにした指導案の作成」という課題が待ち受けている。
 ご苦労さんなことだ。「現地や現場に興味を持って」も、それが「課題の答え探し」に終わってしまうのなら意味がない。
 自分たちの扱う児童生徒が居住する近くで、行政的に何が起き、それがその地域の住民にどのような影響や難題を与えていくのかということを、この「弥生跡地」からしっかりと学んで欲しいと思ったものだ。

◇◇ 弘前市船沢地区市政懇談会に傍聴、参加した ◇◇

 教育センターの「社会科地域教材開発講座」にアシスタントとして参加した後で、船沢公民館で午後1時30分から開かれた「弘前市船沢地区市政懇談会」に参加した。
会場の「椅子席」はほぼ埋まっていたかのように見えた。平日でしかも暑い中、結構な数の参加者であることに驚いた。
 懇談会の内容の主なものは「当該地区の事業説明」、「事前案件への回答」、「事前案件以外の意見・要望」であった。

 「弥生リゾー卜跡地」に関係することだけを報告しよう。

 事前案件            
 当地区内にある弥生リゾー卜跡地は少しずつ自然の状態へと戻っているとも聞くが、跡地内部には工事着工箇所がいくつか残るなど完全に自然の状態に戻るごとはないとの意見もある。
 現市政では今後この問題についてどのように向き合い対応していくのかお知らせ願いたい。
                        船沢地区町会連合会から

 それに対する回答は次のとおりであった。

 弥生リゾート跡地について、これまでの市の基本的な考え方は、次のとおりです。
1 広く市民の意見を聴いて、今後の方向を定めでいく
2 自然に近い姿を念頭に置きながら検討を進める            
3 大型箱物施設を中心とした計画とはしない
4 防災や利用上の安全面も考慮し整備の方向を定めていく  
5 懇談会などの運営にあたっては、大学等、外部のノウハウ・手法を活用することを検討する
 以上の5つの項目の考え方に基づき市緊と弘前大学とで行った共同研究の報告書が、平成21年11月に完成、これを公表し、地元をはじめ広く市民への説明会を開催したところです。
 リゾート開発跡地を今後どうするかについでは、もうがし時間をかけて検討したいと考えています。また、ご要望があれば弘前大学との共同研究の内容についての説明会を今後も開催したいと考えでいます。
 一方、地元として跡地の整備や活用について、具体的なご提案があればお寄せいただきたいと思います。基本的な考え方などを踏まえ、その実現可能性について検討します。
 なお、跡地管理上の安全対策として、跡地立ち入り禁止のためのバリケード及び注意看板の設置を、今年度も行うこととしています。

 これら以外に、この件について住民から出された問題点(懸念材料)や意見は次のとおりだ。

 1.「跡地内にある池(調整池)」に関わること
堆積沈殿物が底に貯まり、いつ溢れて流れ出すか分からない。水害や土石流が心配だ。

回答:排水溝が「地穴」構造になっているので、溢れる心配はないし、水門も定期的に点検している。池の堆積物に生えている雑木も適宜伐採している。

 2.「跡地全般」に関わる意見

 5項目の「市の基本的な考え方」を示すだけでは、住民として「具体的」な利活用の手立てを挙げることは出来ない。たとえば、「『跡地内』に残っている道を歩けるようにする」とかである。何か1つでもいいから具体的なものの提示が欲しい。

 このことに対して、ただ、気になることがある。…それは船沢地区市政懇談会の席で、葛西市長が「市民団体」が「地域住民」の意向を大切にと主張するのでと言い、その所為もあって、具体的な項目を提示出来ないでいるというニュアンスの物言いをしたことである。

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