岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

今日の写真はキシメジ科シメジ属のキノコ「シャカシメジ(釈迦湿地)」だろう?

2010-10-02 04:22:13 | Weblog
 (今日の写真はキシメジ科シメジ属のキノコ「シャカシメジ(釈迦湿地)」だろう?
 9月26日に毒蛇沢のミズナラ林内で出会ったものだ。私には記憶があった。数年前のことである。小杉沢の奥に分け入った時に、「キノコ採り」の人と出会った。
 「何か採れましたか」と訊くと、その人は背負っている籠を降ろして、中のキノコを見せてくれながら「これが美味しいんだ。なかなか採れないんだが、今日は3株に出会ったよ。しゃかしめじだよ」と嬉しそうに誇らしげに語ってくれたのであった。
 目の前には5株ほどがまとまって生えている。全部採って「受講者」に分配しても十分な量である。だが、それが「シャカシメジ」だという確証が持てなかった。そこで、同行している「会長」に確認を求めたのだ。
 そうしたら、会長曰く「はっきりしないなあ。はっきりしないものは採らない。これがキノコ採りの原則です」。次いで、「いいじゃないあ、もうマイタケも採ったのだから、あとは要らないよ」と言うのだった。そういう訳で、私は「しぶしぶ」採取を止めたのである。

 「シャカシメジ(釈迦湿地)」は、秋に広葉樹林内に群生または単独に生える。松混じりの雑木林やミズナラ林に生える白色から灰褐色のキノコだ。菌塊から多数束生し、肉質は少しもろい。キノコ単体は小型で菌塊は中型から大型となる。
 写真からも分かるように、タマゴ状の塊から大きな小町針を刺したような形である。多数塊状をなし、茎が癒着していて一株となって生えるので、「カブシメジ(株湿地)」、「センボンシメジ(千本湿地)」、「ヒャッポンシメジ(百本湿地)」などと言うのである。
 傘の直径は5mm位の小さいものから大きいもので10cmで、灰白色。ひだは密で白又は淡灰色で、後にクリーム色を帯びることもある。担子菌類の食用になるキノコである。

 名前の由来は「太い塊状の根から、多数のきのこが発生して株状となり、その様子がお釈迦様の頭を思わせること」による。

 風味が豊かで「匂いマツタケ、味シメジ、食って美味いはイボコゴリ(シャカシメジ)」といわれるように絶品のキノコとして広く好まれているのだ。一本一本が小さいので、お吸い物、酢の物、炊き込みご飯などによく合うのだ。
 昔から人々に愛されてきた所為であろうか、「シャカシメジ」の方言名はセンボンシメジ、センボン、アヅキキノコ、イボククリ、アヅキモタセ、イボコゴリ、カブシメジ、コハギ、コマズ、カブモダシ、ウエッコ、ウスムラサキ、ヒャッポンシメジなどと多い。

 俳句にもよく詠まれている。

・わがこゑは占地の陰に入りにけり (鴇田智哉)

・しめぢなます吾が晩年の見えてをり (草間時彦)

 「シャカシメジ」は、最近は発生が少なく、数が非常に少なくなっているそうである。しかし、「生えるところ」には出るのだそうだ。一度見つけると、大体、毎年同じ場所に発生し、6株から多い時には10株ほども採取出来るという。
 私は「あの場所」を忘れはしない。きっと「来年」は確実に採取することを期待したい。)

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